来春に神戸・三宮に完成予定の阪急電鉄神戸三宮駅ビルの中に、神戸市が開設する「知的交流拠点」の概要が決まった。同ビルの15階全体を使い、コワーキングスペース(共有オフィス)やイベント空間を設置。神戸・ポートアイランドの医療産業都市で働く人や研究者、神戸で活動する起業家らが集い、独創的な新ビジネスが生まれる舞台を提供する。
同市は12日、拠点の運営事業者に、有限責任監査法人トーマツと神戸新聞社でつくるグループを選定したと発表した。応募した3グループの中で、多彩な組織を巻き込むアイデアや情報発信力を評価したという。
拠点は、神戸阪急ビル東館(地上29階、地下3階)15階の約600平方メートル。ポーアイ進出企業から、業容拡大に向けた人材交流の常設の場を求める声が上がったのを契機に、阪急駅ビルでの整備が実現した。
大学や研究機関、企業、行政、個人などで協議会「神戸エコシステムプラットフォーム(仮称)」をつくり、拠点でのイベントや個別のマッチングを通して幅広い関係者に協業の機会を提供する仕組み。市が協業支援を試みる医療産業都市で働く人や起業家、大学や理化学研究所などの研究者らは、半額で利用してもらえる制度を設けるという。
神戸市の担当者は「医療産業やIT分野にとどまらず、ビジネスの新たな展開を模索する人たちが集い、イノベーションが生まれる場にしたい」としている。(長尾亮太)