兵庫県教育委員会は20日、洲本市にある戦国期の「白巣城跡」や「炬口城跡」など計9件を県指定文化財にすると決めた。
県教委によると、白巣城跡は淡路島中央部の標高336メートルの山頂にあり、播磨灘や大阪湾を見渡せる。炬口城跡は沿岸の丘陵地にあり、防壁を張り巡らせるなど当時の高い築城技術を示す。県教委の担当者は「淡路島は地勢を背景とした要衝で、権力者が拠点とする条件は整っていたのでは」とみる。
昭和を代表する作庭家の重森三玲が設計した「住吉神社庭園・住之江の庭」(丹波篠山市)は名勝での指定。伝統的な枯れ山水にモダンの要素も融合させた点が評価された。養父市の明延鉱山=1987年閉山=の鉱石を神子畑選鉱所(朝来市)に運んでいた「明神電車車両」は、歴史資料として指定。49年からは客車を連結し、鉱山関係者らを1円で運ぶなど近代化の歩みを伝える。これらは戦後の物件として初めて県指定文化財になるという。
今回指定されたのはほかに、伊丹郷町を治めた近衛家が建設を支援した猪名野神社本殿・幣殿・拝殿(伊丹市)▽16世紀中期の姿を保つ帝釈寺本堂(香美町)▽大型石室を持つ妙徳山古墳(福崎町)▽異なる時代の石組みや巨石の橋などが調和する護国寺庭園(南あわじ市)▽県版レッドデータブックBランクの「網引湿原」(加西市)。(佐藤健介)









