神戸市中央区の市こども家庭センター(児童相談所)で、真夜中に小学6年の女児が当直業務を請け負うNPO法人の男性職員に追い返されていた問題を受け、神戸市は当直業務のマニュアルの内容が不十分だったとして、早急に見直す方針を決めた。助けを求める子どもが来所した場合の対応を明記し、子どもを入館させた上で市職員に連絡するよう指導を徹底するという。(石沢菜々子)
市によると、マニュアルでは、電話応対で「相手が虐待通報などの緊急の用件を伝えてきたとき」には市職員に連絡するよう明記。一方、来所者については「入館の可否が判断できないときには、一時保護係の(市)職員に伝達する」とし、委託職員が入館の可否を判断できると解釈できるような文言だった。
市家庭支援課は「児童虐待が増える中、今回のようなケースを想定した対応を明記しておくべきだった」としている。
センターなどによると、女児は10日午前3時すぎに「家庭でもめ事があり、家を追い出された」と申告したが、男性職員はインターホンの画面を見て「警察に相談しなさい」と追い返した。男性職員は「比較的年齢が高いように見えた。発言からも緊急性が感じられなかった」と説明した。