神戸市は9日、兵庫区役所に勤務する派遣職員の40代女性が、新型コロナウイルスに感染したと発表した。女性は2月18日、コンサート参加者の感染が確認された大阪市北区のライブハウス「LIVE HOUSE Rumio」を訪れていた。鼻水が出るが、発熱はなく、入院に向けて準備しているという。兵庫県内の感染者は13人目、神戸市内は3人目。市は9日午前9時半から、兵庫区役所を一時的に閉鎖している。
市によると、女性は兵庫区役所1階の総合案内に勤務し、庁舎案内や死亡関連の手続きを案内する「おくやみコーナー」を担当。1日平均約300人の来庁者に対応していたという。
女性は、2月18日のコンサートに参加後、3月6日まで出勤。普段からマスクは着用していたという。鼻水が出るようになり、同ライブハウスの参加者の感染が確認されたという報道を見て、8日に帰国者・接触者相談センターに相談。市内の病院を受診し、9日午前、新型コロナウイルスの検査で陽性と確認された。
市は、兵庫区役所の来庁者窓口を一時的に閉鎖し、館内を消毒するとともに、同僚や家族など濃厚接触者の調査を進める。9日午前の時点で、女性の同僚職員に体調不良の人はいないという。区役所職員は在庁しており、電話対応は受け付けている。遠藤卓男行財政局長は、区役所の再開について「消毒や調査をした上で、できるだけ早く開庁したい」と話した。
同区役所では9日午前9時すぎから、来庁者を退避させ、約30分後に全館を立ち入り禁止に。来庁者が職員に「いつ元に戻るのか」などと質問を繰り返していた。
年金の相談に来た同区の女性(78)は「いよいよここまで来たか、という感じ。役所が閉鎖となると何かにつけて不便だが、もし区役所内で感染が広まっていたらと思うと不安でいっぱい」と声を震わせた。(長谷部崇、小谷千穂)
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