神戸市・兵庫区役所の窓口で勤務する派遣職員の40代女性が新型コロナウイルスに感染していることが9日朝、明らかになり、連絡を受けた同区役所は開所から約45分で窓口を閉鎖した。庁内にいた42人の市民が急きょ施設の外に出され、立ち入り禁止に。マスク姿の職員が玄関先で対応に追われた。再開の見通しは立っていない。
市によると、9日午前8時すぎ派遣職員の陽性反応の検査結果が判明し、同区役所の閉鎖を決定。来庁者を退避させた。派遣職員は区役所1階の総合窓口で庁舎案内や「おくやみコーナー」を担当していた。
区役所正面玄関には「兵庫区役所で新型コロナウイルスの感染症の陽性事例が発生しましたので、一時閉庁します」と記した紙が張り出された。閉鎖を知らない市民が次々に訪れ、「いつ元に戻るのか」「急ぎの手続きなのにどうしたらいいのか」などと職員に質問を繰り返し、困り果てる高齢者や家族連れらの姿もあった。
パスポート取得のため、高校1年の娘と訪れた女性は「役所が閉まってしまうと、予定すら立てられない」と困惑。「公共施設でも油断はできない状況。マスクや手洗いなどで自己防衛するしかない」と話した。
市役所であった会見で、市幹部は女性について、平日午前8時45分から午後5時半まで勤務していると説明。2月18日に大阪市のライブハウス「LIVE HOUSE Rumio」を訪れ、その後、約2週間勤務を続けたという。市の担当者は「1日約300人と接する」としたが、濃厚接触者の数は「本人の症状の経過を調べた上で、来庁者が該当するかどうか精査する」とした。
現時点で、体調不良を訴えている同区役所職員はいないといい、窓口以外の業務は継続し、電話対応も可能という。遠藤卓男行財政局長は「大変ご迷惑をおかけして申し訳ない」と話した。(石沢菜々子、小谷千穂)
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