新型コロナウイルスの感染拡大で学校の休校が続く中、兵庫県内のトップを切って10日、姫路市や阪神間など9市町の中学校で卒業式が開かれた。県内では当初、大半の学校が同日に開催する予定だったが、約8割が日程を延期。式典があった学校でも在校生や来賓の姿はなく、校歌の合唱を見送るなど異例の門出となった。
姫路市では、4月から隣接する小学校と統合し小中一貫校となる豊富中(同市豊富町御蔭)で最後の卒業式があった。出席したのは卒業生98人と保護者、教師だけ。全員がマスク姿で、校歌は合唱の代わりに録音した曲を流した。例年一人一人に手渡す卒業証書も、代表者1人だけに授与する形となった。
卒業生を代表して三木奨也さん(15)があいさつし、「登校できると思っていた6日間が一瞬で失われ、当たり前はないと痛感した。それでも積み重ねてきた財産が失われるわけではない」と涙で声を詰まらせた。山下雅道校長は「磨いた個性を人とのつながりの中で生かし、自己実現に挑戦してほしい」と激励した。
当初10日に予定していた神戸、明石、加古川市などでは、17日に延期して実施する。(地道優樹、斉藤絵美)
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