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施設内に備えられたアルコール消毒液。在庫の減少が懸念される=神戸市長田区大日丘町3、サニーヒル
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施設内に備えられたアルコール消毒液。在庫の減少が懸念される=神戸市長田区大日丘町3、サニーヒル
職員の検温は必須。体調に異変はないか気を配る=神戸市長田区大日丘町3、サニーヒル
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職員の検温は必須。体調に異変はないか気を配る=神戸市長田区大日丘町3、サニーヒル

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、重症化しやすい高齢者が利用する介護施設が警戒を強めている。兵庫県内では7日に伊丹市の介護施設の利用者、10日に姫路市の病院の入院患者の感染が確認される中、各施設は入所者と家族の面会制限や職員の検温徹底など対策を強化。体調不良や、自宅待機となった子どもの対応で休まざるを得ない職員の人繰りや、マスク、消毒液の備蓄に不安もあり、現場は神経をとがらせている。

 神戸市長田区の介護老人保健施設「サニーヒル」は、2日から入所者との面会を禁止し、着替えなども玄関近くで受け渡す。療養部統括主任の男性(59)は「家族が発熱していれば、臨終間際を除いて、みとりの希望に沿えない」と複雑な胸中を話す。

 ボランティアとのレクリエーションを取りやめ、毎週2回ロビーを住民らに開放するカフェも、利用対象を入所者に限定した。柏木さんは「地域と交流して表情が穏やかになり、笑顔が増える認知症患者もいる。だんらんの場が少なくなると、体調に影響が出ないか」と不安を隠せない。

 マスクとアルコール消毒液も納入が滞り、3月末で備蓄が尽きる見通し。職員には出勤時に検温を義務付ける。熱が出ていなくても「自分は感染しているかも」と休むケースもあり、夜勤明けの職員が勤務を延長してカバーしている。

 臨時休校中の子どもがいる職員から「代わりに世話する家族も高齢で、いつまでも頼めない」などの声も聞く。男性は「この状態が続くと、体力的、精神的にも疲弊してしまう」と困惑する。

 同市須磨区の特別養護老人ホーム「須磨シニアコミュニティ」でも衛生用品の入荷が途切れ、備蓄を使い込む。坪内英一施設長(57)は「介護現場にマスクや消毒液が優先して回らない状況で、命は守れるのか」と懸念する。

 入所者に感染者が出た場合、各施設は個室に移すなどの対応を取るとするが、濃厚接触の職員は検査が終わるまで休ませざるを得ない。坪内施設長は「そうすると誰が入所者を介護するのか。介護はテレワークができない」と悩む。

 同市垂水区の「多夢の森デイサービスセンター」は午前と午後に必ず換気し、洗って再利用するおしぼりを除菌ウエットティッシュに代えた。運営する社会福祉法人みかり会の谷村誠理事長(58)は「感染者が出て休業となれば、介護者らが預け場所を失う。最善を尽くしたい」と気を引き締める。(佐藤健介)

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