神戸市灘区の六甲山牧場を運営する神戸市の外郭団体・一般財団法人神戸みのりの公社(同市西区)は19日、飼育担当の職員がヒツジやヤギなどの死骸約60匹を敷地内に埋めていたと発表した。動物の管理が現場任せになっていたことが不適切な処理の常態化を招いたとみられ、同公社は管理やチェック体制などの再発防止策を示した。
同公社によると、2013年ごろから19年11月までの間、飼育担当の職員9人が、老衰で死んだり死産だったりしたヒツジやヤギ、ブタ、ウサギ、アヒル、モルモットの死骸計約60匹を敷地内の複数箇所に埋めていた。神戸新交通(同市中央区)の不祥事を受けた、弁護士による外部調査で発覚。同公社の通報を受け、兵庫県警が廃棄物処理法違反などの疑いで捜査している。
動物の死骸は県姫路家畜保健衛生所や処理業者の施設に運んで処理する必要があるが、繁忙期で運ぶ時間がなかったことや、弔いの気持ちから、一般の利用者が立ち入らない場所に埋めていたという。死骸の約4割を埋却しており、病気で死んだ場合は正規の手続きで処理していた。
このほか16年2月から18年9月にかけて、食品として使用できない牛乳を人が立ち入らないエリアに廃棄していたことも判明し、警察に通報した。
牧場は消毒や安全性確認を行った上で、通常通り営業。一方で、処理の記録や確認も不十分だったことから、マニュアルや管理台帳を再整備するほか、管理職によるチェック体制の構築などに取り組む。
久元喜造市長は同日の定例会見で「極めて不適切な行為。同公社が把握できていなかったのは、ガバナンス(統治)の問題だ」とし、人事労務管理の確立などを求めた。(石沢菜々子)











