兵庫県は26日、老朽化に伴い再整備する県庁舎と県民会館(いずれも神戸市中央区)について、現在の1、2号館を集約する新行政棟を28階程度の高層タワーとし、最上階に展望室を設ける方針を明らかにした。議場などが入る新議会棟は独立して建設し、それぞれを地下通路で結ぶ。
有識者らの検討委員会を同日開き、専門部会や県議会での協議を踏まえてまとめた「県庁舎等再整備基本計画」骨子案の一部を公表。委員に意見やアイデアを求めた。
骨子案によると、新行政棟は1号館南側の空きスペースに建て、3~4階の低層部にエントランスホールやPRスペース、食堂を配置。六甲山や周辺の緑地と調和させるため建物内外部に植物などをまとわせる。
新議会棟は県警本部東側の駐車場に建設。バリアフリーの傍聴席や大型スクリーン、情報通信技術(ICT)環境を持つ議場を整備し、全委員会室にネット中継が可能な設備を導入する。
新議会棟と新行政棟、災害対策センター、建て替えない3号館を結ぶ地下通路を整備するほか、周辺に分散している外郭団体など県関係28団体の事務機能を3号館に集約する方針。
昨年6月に策定した基本構想で、高級ホテルや商業施設を誘致するとした2号館と県民会館跡地の在り方も含めて、5月中に基本計画素案をまとめる。
同構想では再整備費として650億~700億円(解体費を含む)を見込む。(井関 徹)
