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集まった“コロナ句”について語る八上桐子さん=神戸市灘区王子町3、神戸文学館
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集まった“コロナ句”について語る八上桐子さん=神戸市灘区王子町3、神戸文学館
妹尾凛さん=神戸市灘区王子町3、神戸文学館
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妹尾凛さん=神戸市灘区王子町3、神戸文学館

 神戸を拠点に活躍した川柳作家・時実新子(ときざねしんこ)さん=2007年に78歳で死去=が亡くなって13年。3月10日の命日に合わせ毎年、弟子たちが神戸で催してきた「月の子忌」が、今年は新型コロナウイルスの影響で延期になった。しかし、そこでくじけないのが川柳魂。本紙文芸欄の選者・八上桐子さん(兵庫県伊丹市)の呼び掛けで急きょ、俳人も交えたオンライン句会が行われた。世界を揺るがすコロナ騒ぎから、どんな五七五が詠まれたのか。

 月の子忌は、時実門下だった八上さんと妹尾凛さん(神戸市中央区)が15年から開催。弟子や愛読者が集い、新子句を読み解いてきた。今回の延期を受けて八上さんは、所属するオンライン句会「蒸しプリン会議」のメンバーらに、新型コロナをテーマにした競作を提案。計7人がこれに応え、2句ずつを寄せた。

 念頭にあったのは、阪神・淡路大震災後に時実さんが編んだ合同句集「悲苦を超えて」だ。句会の中止が相次ぐ中、「こんな時こそ見たもの、感じたことを書き留める意義がある」と八上さん。ネットを介したやりとりなら、感染の心配もないと考えた。

 八上さんは「あえて時事的に扱うのでなく、今の日常を詠めば、自然にコロナが入り込んでくる。いつもと違う感覚を言葉で残しておくことは大事。ネットを使わない人なら、はがきやファクスでも、句を待つ間の楽しみが増すはず」と呼び掛ける。

 競作に参加した妹尾さんも「被災地の内外で温度差の大きかった震災と違い、コロナは皆が当事者。言い知れぬ不安が常にある。一つ一つの事柄と丁寧に向き合うことで、不安の根底にあるものが見えてくるのでは」と話す。(平松正子)

 7人の句は次の通り。

ミモザ咲きました毎日が平熱

をみならのマスクが笑ふ飛花落花

岡野泰輔さん(千葉)

薄目して手のひらが手を洗ふなり

染まりくるまちにモザイク色の塔

鴇田智哉さん(東京)

白魚の濃厚接触見てしまう

蛇穴を出て無人のフォロロマーノ

笠井亞子さん(東京)

ゆふざくら最後の飛行機雲燃えて

巣を守る鳥たちの目に日が沈む

太田うさぎさん(東京)

眼帯をななめに掛けて鳥雲に

レスラーの吹くラッパにも深き春

小津夜景さん(フランス)

楽しいことでできている梯子

日がな一日図書館に椅子がない

妹尾凛さん

人影の足りない夜がやつれている

行く春の胸にガラスを産み付ける

八上桐子さん

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