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マスク姿で企業の合同説明会の会場に向かう学生ら。経済状況の急激な悪化で、採用計画の見直しを迫られる企業も多い=東京都内
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マスク姿で企業の合同説明会の会場に向かう学生ら。経済状況の急激な悪化で、採用計画の見直しを迫られる企業も多い=東京都内

 新年度が始まり、多くの企業で新入社員が会社生活をスタートさせた陰で、新型コロナウイルスの感染拡大による経済状況悪化を理由に、企業から採用内定を取り消された学生がいる。政府は内定取り消しを回避するよう企業側に求めたが、中小企業からは「経営努力では追いつかない」との悲鳴も上がる。一方、行き場を失った人を緊急採用する動きも広がっている。(末永陽子)

 「訳が分からず、今も信じられない思い」。兵庫県内の大学を3月に卒業した男性(22)は、悔し涙を見せた。

 4月から働く予定だった東京都のデザイン会社から内定取り消しの連絡があったのは、3月中旬。面接や内定者研修でも会った役員から「コロナ不況で受注は半分以下。業績が改善したら、すぐに連絡する」と謝罪された。すぐには意味が理解できず、耳を疑った。

 新人にもすぐに担当を任せるなど、小規模な会社ならではの魅力を感じ、内定をもらった4、5社の中からこの会社を選んだという男性。他に内定をもらっていた飲食チェーンの会社で5月から働くことが決まったが、「飲食業もコロナ不況で先は暗そう」と不安げな表情を見せる。「中国での新型肺炎のニュースを、どこか人ごとかと思って見ていたのに…」

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 同じく3月に大阪府内の大学を卒業した神戸市の女性(22)は、関東エリアの旅行関連会社に4月1日付で入社予定だった。会社から3月中旬に電話があり、「仕事が軒並みなくなったので、入社時期を9月あたりにずらしたい」と告げられた。

 「一方的すぎる。納得できない」と訴え、7月1日付での採用が決まったものの、「自分の人生をないがしろにされた気持ち。もう信じられない」と就職活動を再開した。複数の内々定をもらい、「今度こそはどんな会社かじっくり見極めたい」と話す。

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 経営側も頭を悩ませる。

 神戸市内の加工会社は3年前に、約8年ぶりに採用を再開した。受注増による人手不足に加え、技術者の高齢化も理由だった。

 今年も既卒者ら3人を採用したが、3月から受注が減少。「うちのような小さい会社に来てくれてありがたいとは思いつつ、このままでは4月中は覚えてもらう仕事もない」と嘆く。

 内定を取り消された学生を採用する動きも出ている。神戸市は3月25日、1年間の任期付き職員100人の募集を始めた。モスバーガーを展開するモスフードサービスや、スーパーのライフコーポレーションなど大手も、緊急採用に取り組んでいる。

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