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今西雄介氏
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今西雄介氏

 新型コロナウイルスの拡大に伴い、雇用トラブルが続出している。8日付に続き、双花(ふたばな)法律事務所(神戸市中央区)の今西雄介弁護士に聞いた。(まとめ・上杉順子)

 〈ケース5〉

 正社員。2月末に海外を旅行したら、帰国後に会社から「自宅待機・賃金6割支給」と書かれた速達が届いた。退職をほのめかす内容も記されていた。

 -旅行先で感染を強く疑われるのであれば、休業させて休業手当(平均賃金の6割以上)を支給することはあり得る。一方、「自宅待機」という文言は気になる。業務命令として賃金の10割支給が必要になる可能性があるので、会社側は使用に気を付けた方がいい。退職うんぬんはいくら何でもやりすぎでおかしな話。行き過ぎた退職勧奨と言える。

 〈ケース6〉

 学生アルバイト。売り上げの大幅減を理由に、時給を一方的に下げられた。

 -違法だろう。賃金減額には本人の同意が必要だ。一方、従業員が同意できる合理的な理由があった場合は、従業員の異議が出ないことを理由に賃金を下げても違法とは言えない-という判例もあるので、困る場合は「困ります」と、明確に異議を述べることが大切だ。

 〈ケース7〉

 事業主。売り上げが大幅に減少し、従業員に「客足が戻るまでシフトに入れるのは難しい」と伝えた。勤務させないので、この間の給与を支払う予定はないが、法的に問題はないか。

 -従業員が正社員や、非正規雇用でも「週〇日勤務」などの契約があるなら問題。シフトに入れない場合、休業手当を支払う義務が出てくる。しかし、勤務分を払うアルバイトなどには支払わないこともあり得る。既に入っていたシフトを変更された場合は、そのようなアルバイトでも会社都合になる可能性がある。

 〈ケース8〉

 事業主。売り上げの大幅減で事務所を一時的に閉鎖し、従業員に年次有給休暇を取得するように指示した。法的に問題はないか。

 -本来なら休業手当を支払う必要がある。手当を出さないために有休を使えと言うのは問題。従業員から申し出て取得するケースはあり得る。ケース7とも合わせ、売り上げの減少が理由だと事業者側の都合となる可能性が高いが、事業所で感染者が出た、感染者が出入りした-などの場合は会社都合と言い切れない。また、緊急事態宣言により使用制限や停止の要請を受けた施設などであれば、これに従うことは事業者側の事情ではなく、不可抗力と考える余地もあり、休業手当が出ない可能性もある。

 〈全体を通して〉

 今まで考えたことがないような事案、法律の想定範囲を超える事案が、今後多発すると考えられる。労使協議がより一層、重要になる。労使の間でしっかりとした合意形成を行い、総合的な判断が求められる。

【記事特集】新型コロナウイルス

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