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国立感染症研究所で分離された新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真像(同研究所提供)
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国立感染症研究所で分離された新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真像(同研究所提供)

 兵庫県は9日、新型コロナウイルスに感染した軽症者や症状がない人について、一定の基準を満たせば、入院先の医療機関からホテルなどの宿泊施設に移ってもらう方針を固めた。60歳以上や妊産婦らは移転の対象外とし、早ければ来週から始める。また神戸市は、11日から宿泊施設での軽症者の受け入れを開始する。

 県などでは現在、感染が判明した人は全員、症状に関係なく入院してもらっているという。感染者拡大が重症者の治療を妨げる恐れもあるため、軽症者を移すことでこうした事態を避ける。

 移転対象は、24時間で37・5度以上の発熱がなく、呼吸器の症状が改善傾向にある軽症患者らで、主治医が判断する。感染が拡大すれば対象範囲を広げる。60歳以上や基礎疾患のある人、妊産婦らは入院を続けてもらう。

 受け入れる宿泊施設では、県立病院の医師らが健康観察を行い、看護師と県職員が24時間常駐する。県は今月中に計約500室(神戸市分を含む)の確保を目指している。

 一方、神戸市は11日から、大規模会議やスポーツ合宿などに使われる「ニチイ学館神戸ポートアイランドセンター」の宿泊棟(同市中央区)で、軽症者らの受け入れを始める。最大100人の入居が可能という。

 対象は入院後、症状が安定している患者で、医師が県とほぼ同様の国指針に基づき判断する。

 同施設では、保健所や近くにある市立医療センター中央市民病院の医師が健康観察を行い、看護師を24時間態勢で配置。食事も提供され、滞在経費は公費で負担するという。

 県、神戸市では今後も引き続き、無症状も含めて感染者にはいったん入院してもらい、医師による容体の確認を行うという。(井関 徹、石沢菜々子)

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