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院内感染について説明する神戸市の小原一徳健康局長(右から2人目)ら=11日午前、神戸市役所
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院内感染について説明する神戸市の小原一徳健康局長(右から2人目)ら=11日午前、神戸市役所
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 恐れていた事態が現実になった。職員と入院患者ら計14人の新型コロナウイルス感染が分かった神戸市立医療センター中央市民病院(同市中央区)。「検査すれば自分も陽性の可能性がある」。病院で治療に携わる職員2人が電話取材に応じて口をそろえ、戦場のような病院内の様子を語った。日ごとに感染者が増える兵庫で、重症患者の命を救う「最後のとりで」が揺らいだ。(霍見真一郎)

 同病院は、兵庫県が対コロナ体制で3本柱の一つに位置づける基幹病院。会見によると、患者2人は軽症患者を集めていた感染病棟で、もう1人は人工透析室で感染した可能性がある。感染した職員ら11人は、いずれかで勤務していた。

 関係者によると、当初は院内にコロナ患者を収容する陰圧病室を10床用意していたが、軽症患者が次々と入院。急いで病床を拡大する際、別の疾患患者が別の病棟に移動する前にコロナの患者を入れてしまい、一時的に同じ階に混在する状況が生じていたという。

 職員の一人は「重症患者の対応を優先したため、(軽症患者で)ほころびが出てしまった。本来はコロナ病床が全て空くまで入れてはいけなかったが間に合わなかった」と話した。

 この職員によると、同病院では3月末に重症者が一気に増えて集中治療体制も危険水域に入っている。マスクや防護服といった医療物資も十分ではなく、通常は1日に何度も交換するマスクも原則1枚だけ。顔を覆うフェースガードは拭いて再利用することも。そんな中、家族にうつさないよう病院に泊まり込んで勤務を続ける人もいるという。

 感染のリスクはそこかしこにあり、精神的重圧も大きい。重症患者の治療に携わった別の職員は、呼吸不全を起こしている患者の治療に当たり、「防護していても、目に見えないウイルスを吸い込んでしまうのでは」と自らが発症する心配が消えなかった。しかし、より怖いのは無症状患者といい、「ほぼ毎日コロナ患者が来ているし、医療従事者も大勢が関わる。どこにウイルスがあるか分からない」と指摘。「PCR検査を始めたと聞いたが、職員の陽性がもっと出てくる。医療崩壊の足音が聞こえてきている」とつぶやいた。

 一方、コロナに対応する職員とそれ以外の職員で溝も生じている。通常病棟の職員から敬遠され、本来の休憩室で食事ができない人もいるという。

 同病院の職員約100人が自宅待機となったが、兵庫県対策推進班は「高度医療をする病院はほかにもあり、仮に中央市民病院が機能ダウンしても県全体で補完する。ただし、ほかの二つの基幹病院も同様にドミノ倒しのようになれば厳しい状況だ」と話した。

     ◇     ◇

■関西福祉大(同県赤穂市)の勝田吉彰教授(渡航医学)の話

 プロ中のプロがいる病院で院内感染が起き、この感染症を制御する難しさを痛感する。マスクや防護具といった資材が不足したり、医療従事者に過度な負担が掛かって疲弊したりしていれば、行政による供給や人員態勢の改善が必要だ。患者受け入れ態勢に対する打撃はとても大きく、医療崩壊へ一歩近づいてしまった。感染者の病床確保も喫緊の課題。新型コロナ専用の病院を指定することも検討すべきだ。

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