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店内で喫煙できることを示すステッカー。「未成年と妊婦は立ち入れない」と案内する=神戸市中央区
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店内で喫煙できることを示すステッカー。「未成年と妊婦は立ち入れない」と案内する=神戸市中央区

 新型コロナウイルス感染症が広がる中、呼吸器の病気を引き起こす受動喫煙の防止を狙う「改正健康増進法」が4月から全面施行され、飲食店など不特定多数が集う場所が原則禁煙となった。兵庫県を含む各地の自治体が条例で規制を強めるが、条件付きで喫煙が認められるケースもある。喫煙歴はコロナ重症化の要因になるという指摘もあり、専門医や患者らは法の実効性を疑問視している。

 ファミリーレストラン大手のデニーズは、全国約370店舗が完全禁煙に移行。兵庫県にある3店舗は、喫煙可能だった席のクリーニングを済ませ、紙たばこだけでなく、加熱式たばこや電子たばこも吸えなくした。広報担当者は「ドリンクバーの導入などで家族層の利用が多くなった。子どもへの影響を心配する声が増えている」と説明。「コロナに限らず、疾病の原因になり得る副流煙をなくし、快適に食事をしてもらいたい」と理解を求める。

 一方で、紫煙をくゆらせられる店は肩身が狭くなるばかり。神戸市中央区にあるバーの男性店主は「明日への活力を与えるのもバーの役割。一服してリラックスしてもらうのも必要では」と語る。

 カウンターに10席ほど並ぶ小さな店のため、禁煙が猶予される経過措置の条件に該当。妊婦や未成年は入店できないようにするなど、喫煙できる条件を保つ。愛煙家の常連客が訪れると、さりげなく換気扇近くの席へ誘い、他の客に煙が流れないよう配慮する。店主は「たばこを嫌がるお客さんが増えれば対応を考え直す」と複雑な心境を明かす。

 だが、呼吸器疾患を抱える人らは切実だ。

 「肺から肩の骨まで、刺すような痛みが突き抜けた。二度と経験したくない」。数年前に肺炎を患った神戸市北区の主婦(49)は症状のつらさを振り返る。

 自身はたばこを吸わないが、ヘビースモーカーの友人らと出かけた際に飲食店やホテルの部屋で副流煙にさらされた。「肺炎に一度なると肺の組織がダメージを受け、なかなか回復せず、コロナに感染すれば症状が重くなるかもしれない。受動喫煙を完全に防ぐ仕組みがないと、怖くてたまらない」と訴える。

 日本肺がん患者連絡会のアンケートでは、回答した患者の9割近くが発症後に受動喫煙にさらされた場所を「飲食店」と回答している。日本タバコフリー学会理事の薗(その)はじめ医師(60)=尼崎市=は行政の取り組みは甘いと指摘。「たばこがコロナ重症化に関わるとする論文はいくつも出ている。犠牲者を増やさないため、例外や分煙をなくし、罰則付きの『完全禁煙』を実現すべきだ」と主張する。(佐藤健介)

【改正健康増進法】昨年7月の一部施行で、学校や病院、保育園、行政機関の敷地が原則禁煙に。今年4月から飲食店やホテルのロビーなども対象に加わった。悪質な違反者に罰則を科すが喫煙専用室は設置できる。客席面積100平方メートル以下の小規模飲食店などは「喫煙可」とする標識を示せば喫煙できる経過措置がある。東京都や千葉市は、受動喫煙防止条例で、従業員を雇う店は面積にかかわらず原則禁煙と定める。兵庫県は20歳未満の子どもや妊婦がいる家庭と自家用車内の禁煙を義務付けるなど、私的空間の喫煙も規制する。

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