20日付で着任した兵庫県警の吉岡健一郎本部長(57)が同日、県警本部で記者会見した。県警職員の感染も確認されている新型コロナウイルスについて「ご心配をお掛けしている」としつつ、「便乗した詐欺や侵入窃盗などさまざまな犯罪発生が懸念される。良好な治安の維持に努めたい」と語った。
重視する取り組みでは、新型コロナ対策に加え、暴力団対策を挙げた。
昨年は、山口組(神戸市灘区)と神戸山口組(同市中央区)による銃器や刃物を使った抗争事件が相次いだ。県公安委員会は今年1月、両組を「特定抗争指定暴力団」に指定した。
県内にはさらに、神戸山口組から分裂した指定暴力団「絆会」(旧・任侠山口組)の拠点もあり、吉岡本部長は「極めて厳しい情勢にあると認識している」と強調。暴力団犯罪の取り締まりや暴力団対策法の効果的な運用、官民一体の暴力団排除活動により、「暴力団の弱体化、壊滅に向けた取り組みを進めたい」と話した。
特殊詐欺や人身安全事案についても「地道に着実に前に進めたい」とした。
吉岡本部長は愛知県出身で早大卒。1986年に警察庁に入庁し、徳島県警本部長や警察庁外事課長などを歴任。今年4月まで同庁拉致問題対策本部事務局審議官を務めた。(岡西篤志)











