新型コロナウイルスの感染拡大が、放送局の運営に深刻な影響を及ぼしている。テレビ朝日のニュース番組「報道ステーション」のメインキャスターの感染で、各局の緊張感は一気に高まった。兵庫県内でもサンテレビやラジオ関西(いずれも神戸市中央区)が、ゲストなどにスタジオの外から「リモート出演」してもらう機会を増やし、局内で勤務するスタッフ数も極力減らしている。自宅にこもる人向けに手軽な体操を放送するなど中身も工夫して、番組継続に懸命だ。(金井恒幸)
サンテレビが今月13日に放送した「情報スタジアム4時!キャッチ」。スタジオにいたのは木内亮アナウンサー1人だけだった。月曜のコメンテーターを務める陸上女子1500メートルの日本記録保持者で北京五輪に出場した小林祐梨子さん。
小林さんは、同テレビ制作の阪神タイガース応援用の黄色いTシャツを着て自宅からリモート出演。同テレビでは初の試みだった。小林さんは「肩こりなどにならないように」と、肩甲骨や下半身を動かす運動を披露。20日からはスタッフも減らし、放送時間も25分短縮している。
とはいえ、限界もある。情報番組「5時に夢中!」は、コロナの拡大で番組制作会社の作業に影響があり、8日から放映休止になった。編成部は「未曽有の状況だが、対策を十分にしながら踏ん張りたい」とする。
ラジオ関西は現在のところ、生放送は通常通りだが、ゲストには電話出演を要請。スタジオに来る場合は海外渡航歴の確認や消毒、マスクを義務付けている。スタジオでは出演者の間に飛沫(ひまつ)対策のアクリル板を設置。空気清浄機の台数も増やして対応している。
関西の民放も苦戦が続く。MBSはテレビ番組の収録を7日から当面見合わせている。報道や情報番組は継続するが、一部のバラエティー番組は収録ができず放送延期になっている。









