兵庫県朝来市は、国史跡・竹田城跡(同市和田山町竹田)の2019年度の登城者数が17万3801人で前年度比10・4%増だったと発表した。増加は5年ぶり。また、訪日外国人客(インバウンド)は1万2229人に上り、初めて1万人を超えた。市観光交流課は「団体客の誘致などで効果があった」と分析している。(竜門和諒)
登城者数のカウントは12年4月に登山道入り口に設置した赤外線カウンターで始め、13年10月からは観覧料の徴収実績で算出している。
12年公開の高倉健さん主演映画「あなたへ」や、13年の大手検索サイト「グーグル」のCMに登場後、登城者数が急増。14年度には約58万人が訪れたが、その後は4年続けて約20~30%のペースで減少し、ピーク時の約4分の1に落ち込んでいた。
増加に転じた背景には、18年度は西日本豪雨の影響で西登山道が4カ月間にわたって通行止めとなり、減少幅が大きかったこともある。しかし、下げ止まりに期待を抱く同課は「今後も多方面へのPRを続ける」とする。
一方、インバウンドは16年度の集計開始以降、毎年増加し続け、18年度比で25・3%増。登城者数に占める割合は約7%となった。内訳は、台湾が9027人で全体の約74%。次いで香港(約9%)、中国(約4%)の順となっている。
市は台湾キャンペーンと称して17年度から、台湾最大の日本観光イベントとされる「タッチ・ザ・ジャパン」や、姫路市が台北市内で開く観光セミナーなどに積極的に出展。香港やフランス、タイなどへもウェブ広告を使ってPRに力を入れている。本年度からは中国向けのPRを加速させる予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大を受けて見合わせているという。
