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「パルナス」の味を受け継ぐピロシキをアピールする古角武司さん=尼崎市神田中通1、モンパルナス
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「パルナス」の味を受け継ぐピロシキをアピールする古角武司さん=尼崎市神田中通1、モンパルナス

 「モスクワの味」のキャッチコピーで関西に店舗を広げ、20年前に営業を終えた「パルナス製菓」。その創業家の一人が兵庫県尼崎市で営む喫茶店「モンパルナス」が、新型コロナウイルスの感染拡大で経営危機に陥り、ファンが会員制交流サイト(SNS)で支援を呼び掛けている。懐かしい思い出の味を守ろうと、インターネット通販を通じて伝統のピロシキを買い支えている。(森 信弘)

 パルナス製菓は、同県加西市出身の古角(こかど)松夫さんと弟の伍一さん(いずれも故人)が1952年に創業。哀調を帯びたメロディーのテレビCMで知られ、高度経済成長を追い風に関西各地で出店を重ねた。洋菓子や調理パンのピロシキに定評があったが、2000年に営業を終えた。

 尼崎のモンパルナスは伍一さんが74年に独立し開業。今は長男の古角武司さん(60)が運営会社の社長を務める。阪神尼崎駅構内の喫茶店にはパンの販売コーナーを併設。伝統のピロシキは卵とタマネギ、牛ミンチ肉のオーソドックスな具材を塩こしょうで味付けし、今も根強い人気がある。パルナスの味を受け継ぐ商品としてロシアンドーナツもある。

 しかし近年、他店との競争激化で苦戦していたところにコロナ禍が直撃。外出自粛の動きを受け、3月の売り上げは例年の半分ほどに落ち込んだ。4月7日の緊急事態宣言後はさらに客足が遠のき、古角社長はホームページで「助けてください」と窮状を訴えた。喫茶利用を呼び掛けにくい状況から、持ち帰りや、冷凍ピロシキのネット通販をアピールした。

 状況が大きく動いたのは、一部で「パルナスマニア」として知られる加西市の会社員藤中健二さん(56)が反応してからだ。「パルナス復刻委員会」を立ち上げ、ゆかりの品の展示会などを開いている藤中さん。唯一残るパルナスの灯を消すまいと、ツイッターやフェイスブックで支援の呼び掛けを拡散。ツイッターは1日で約1100件のリツイートがあった。

 古角社長によると、冷凍ピロシキの通販の注文はそれまで1日数件だったが、4月13、14両日だけで計300件ほど舞い込んだ。現在は生産が注文に追い付かないほどという。古角社長は支援に感謝し、「今まで頑張ってきたのに、コロナごときで閉店するわけにいかない」と力を込める。藤中さんも「ちょっとでも助けになればと思ったが、関西人の“パルナス愛”を実感した」と喜ぶ。

 冷凍ピロシキの通販は10個1750円(税込み、送料は別)など。通販サイト(http://www.pirosiki.com/)から申し込める。モンパルナスTEL06・6413・3301

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