新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた臨時休校で、兵庫県の学校関係者は終了時期として、政府の緊急事態宣言が期限とした大型連休最終日の5月6日をにらむが、翌日からの再開とも見通せず、頭を悩ませている。緊急事態宣言を延長するかどうかは5月初めまで決まりそうになく、兵庫で学校園を再開できるかどうかも連休中に決まる見通し。県教育委員会では「再開できても、皆が思うような学校生活は難しい」との見方が日増しに強くなっている。(斉藤絵美)
「他府県の担当者から『兵庫はどうするんですか?』と連日電話で聞かれる。再開の目安について国から何も示されていない中、どこも迷っている」。県教育委員会の担当者は明かす。
政府の要請で始まった3月初旬の全国一斉休校から春休みを挟んで2カ月以上も休校が続く異常事態。担当者は「休校を決めたのも明確な判断基準はなかった。保護者や生徒の不安は大きく、再開は慎重に判断しないといけない」と話す。
学校再開か、休校延長か。判断の大きな要因となるのは国の方針だ。
政府は5月初旬に緊急事態宣言の期間を6日以降も延長するかどうか決める見通しで、県教委幹部は「解除されなければ休校も延長せざるを得ない」とする。
国の判断が遅れ、休校期限が迫る事態も予想し、「そうなれば、まず5月7、8日を臨時休校にし、土日の9、10日を含めて検討すればいい」と考える幹部もいる。
一方で、再開しても、以前のような学校にはすぐに戻れそうにない。県教委は密閉、密集、密接の「3密」状態を避けるため、午前中だけ学年ごとに分散させて登校させる▽徐々に登校日や時間を増やしていく-などの対策を想定。県教委の担当者は「しばらく(週何日かの)登校日を設けつつ『完全再開』の時期を探ることになるのではないか」とみる。
学校現場は早期の判断を望む。再開が決まれば保護者に連絡し、1学級の人数を減らすなどの備えが求められ、登校時間を制限すれば、時間割の見直しも必要だ。教員らは交代で在宅勤務をしたり、児童生徒の自宅を回って学習の課題プリントをポストに届けたりしている。休校が延長されればそうした対応も続く。
県内市町も再開の判断を迷う中、小野市は先んじて休校を延長する場合は「夏休みゼロ」の方針を決定。また、3月上旬に休校期間を設けた後、独自に小中学校の授業を再開した明石市教委の担当者も「先が見えず、困っている」と途方に暮れる。
感染者が確認されていない但馬地域の豊岡市では当初、保護者から学校再開を臨む声が大きかったが、緊急事態宣言後は不安の声が高まった。同市の担当者は「国、県の方針を受けて考える。市独自の判断はできない」と難しさを語る。
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