兵庫県養父市は地震や水害など自然災害の発生時に、外出が困難で避難先を確保できない新型コロナウイルスの感染者らを救急車などで公民館に開設する専用避難所に搬送する方針を固めた。但馬地域で感染は確認されていないが、密閉、密接、密集の「3密」が懸念される避難所での感染拡大を防ぐのが狙い。
避難を助けるのは、新型コロナの感染者と濃厚接触者のうち、高齢などで自力の移動が難しく、親類宅など安全な避難先がない人。同市は、旧町ごとにある公民館の和室を専用避難所として開放する。
避難指示などが発令されると、同市は県朝来健康福祉事務所(朝来市)や南但消防本部(同)と連携。防護服を着た救急隊員や市職員が自宅に迎えに行く。避難には公用車を使い、対象者が自力で歩けない場合は予備の救急車で搬送する。
養父市は今月8日に独自の「非常事態宣言」を発表。市職員300人のうち約70人が研修で防護服の着脱や車両の消毒方法を学んだという。同市防災安全課の津崎宏行課長は「いつ感染者が出ても、災害があってもおかしくない。最悪の事態を想定し、打てる手は打ちたい」と話している。
(竹本拓也)
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