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 新型コロナウイルスの感染者増や、緊急事態宣言で求められる自粛や行動変容。先の見えない状況で大人の動揺が子どもに影響することが考えられる。未知のウイルスをどう説明すればいいのか。英国心理学会がまとめた記事を日本心理学会が翻訳し、日本向けの情報を付け加えてホームページ(HP)で公開している。五つのポイントを紹介する。(竹内 章)

 子どもは「大人の鏡」と言われ、大人の不安やいら立ちに敏感に反応する。外出自粛で友達とも遊びにくい。家庭ではゲームやネットに向かい、保護者の叱責(しっせき)が悪循環となりやすい。体を動かせないことも相当なストレスになる。

【1】話すのはよいこと

 保護者は子どもにとって最高の情報源であり安心の源。友達から間違った情報を聞かされることもあるためだ。

【2】年齢に合わせ事実を

 どこまで伝えるか、情報の質と量の調整を。「ワクチンはまだないけれど、お医者さんが一生懸命、作ろうとしているよ」「病気になる人はたくさんいるかもしれないけれど、普通は風邪やインフルエンザのようにちゃんと治るよ」などと伝える。

【3】質問に向き合う

 大人が質問に答えることで子どもの不安は軽減される。分からないことでも正直に伝える。コロナウイルスは未解明の部分が多いため、答えを見つけようと懸命になっている人たちのことも伝える。

【4】大人自身の心配にも目を向ける

 落ち着きを取り戻す助けになること、自宅ならば音楽、呼吸法、家族やペットとの時間などが役立つ。落ち着いた気持ちで話しかけることが、子どもの安心につながる。

【5】できることを繰り返す

 子ども自身ができる最も大切なことは何か、繰り返し伝える。手洗いしながら口ずさめる歌を一緒に考えるなど、楽しく続けられるよう工夫を凝らす。

 詳しくは日本心理学会のHP「お子さんとコロナウイルスについて話しましょう」https://psych.or.jp/special/covid19/talking+to+children/

     ◇     ◇

■日本心理学会広報委員長の三浦麻子・大阪大教授(社会心理学)の話

 誰もが未知の感染禍に不安を抱く今、なるべく客観的に社会や家族や自分を見つめる冷静さが重要だ。テレビやネットから離れ、たわいもないことで構わないので家族で話をする機会を意識して増やしてほしい。

【記事特集リンク】新型コロナウイルス

 

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