新型コロナウイルス感染拡大でマスクの品薄が続いている。医療従事者らへの供給が優先され、一般に出回るのはまだ先のようだ。そんな中、手作りの布製マスクが注目されている。型紙もあり「不器用」を自称する記者にも作ることができ、洗って再利用できるという。手芸店「コトコトコットン」(神戸市垂水区)を営む高橋りえさん(54)に教えてもらった。(記事・佐藤健介、撮影・後藤亮平)
売ってないなら、作ればいい-。ノウハウを伝える講座が開講され、ネットでもさまざま動画が配信されている。縫い手ボランティアを募る動きもある。ただ、記者は幼い頃から家庭科の裁縫が大の苦手。それでも「こんな自分でできるなら、やってみようという人が増えるかも」と思い、挑戦することにした。
普段は縁の無い手芸店で緊張していると、高橋さんが「身近な物で誰もが簡単に手作りできます。ミシンは要りませんよ」と声をかけてくれ、少し安心した。
材料はシーツやおむつなどの材料となるシーチング生地を使用。「コロナの影響で売り切れが相次いでいるガーゼより目地が濃い」と高橋さん。型紙に沿ってはさみで生地を切り抜き、波縫いをして形を整えた。後は袋状の部分にゴムを通すだけ。約30分で出来上がりだ。
早速装着してみると、鼻の曲線にフィットし、布のぬくもりも心地良い。布はハンカチ、ゴムはパンツの平ゴムなどで代用できるという。気に入った柄をチョイスし、おしゃれを楽しむのもいいだろう。これからも合間を見つけて少しずつこしらえ、家族や友人にプレゼントしよう。
「小学校低学年の手芸デビューにもぴったり。休校が続く中、親子で楽しんでみては」と高橋さんは勧める。
コトコトコットンでは、フェイスブックやインスタグラムでも随時情報を公開。TEL078・708・6661
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■布マスク(大人用)の作り方
<用意する物>
・シーチング生地(外側の布は長さ約16センチ、幅約30センチ/内側の布は長さ約16センチ、幅約28センチ)
・平ゴム約60センチ
・手縫い用の針と糸、まち針
<作業手順> ★添付画像を参照
【1】外布の裏面に型紙(点線部分)を当て、A、B、Cには1センチ、Dには1.5センチの縫い代を付けて裁断
【2】中表に合わせて型紙を当て口側のカーブ(A)を縫う(マスクの外側完成)
【3】内布も同様に型紙を当て、1センチの縫い代を付け裁断。図【1】の斜線部分も裁断
【4】【2】と同様にしてカーブを縫う(マスクの内側完成)
【5】【2】と【4】を中表に合わせる
【6】【2】【4】で縫った部分を合わせ、縫い代の内側(上の図の点線)を縫う
【7】両脇の開いている部分から表に返す
【8】外布の1.5センチ長い部分を三つ折りに。中にゴムを通し、布端を縫う
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新聞紙面には実物大の型紙を掲載。作り方を紹介した動画は神戸新聞NEXTで公開しています。
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