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PCR検査を行う装置=尼崎市南塚口町4、尼崎市立衛生研究所
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 新型コロナウイルス感染症のため、神戸市立医療センター中央市民病院(神戸市中央区)に3月に入院した70代の男性患者が、5回目のPCR検査で初めて「陽性」反応が出ていたことが分かった。症状があるのに、4回の「陰性」を経て感染が確認された格好。同市保健所は「PCR検査は万能ではない」と感染を見極める難しさを指摘する。

 PCR検査は、新型コロナで現在、主に使われている検査法。鼻の奥を綿棒でこすって採取した粘膜などに含まれるウイルスに特有の遺伝子配列を、専用の装置で増やして検出する。

 神戸市などによると、同市内に住む70代男性は基礎疾患があり、3月下旬に発熱して、医療機関を2回受診。その際、PCR検査を1回受けたが陰性反応だった。しかし、せきが出て呼吸状態が悪いため、コロナ感染の疑いがあり、3月30日に中央市民病院の重症者病棟に入院した。

 同病院で受けた検査も陰性で、男性は症状が改善し一般病棟へ移った。だが発熱が続き、さらに検査を2回重ねたが結果は陰性だった。男性は再び症状が悪化して呼吸管理が必要になり、5回目の検査で陽性となった。最初の検査で陰性が伝えられてから17日後だったという。

 医師や看護師、患者ら30人以上の集団感染が起きた同病院では、PCR検査で陰性だったのに、自宅待機中に症状が現れて陽性が判明する看護師が相次いだ。「隠れコロナ」の医療従事者らが感染を広げた可能性も考えられる。

 神戸市の伊地智昭浩・保健所担当局長は院内感染を発表した会見で、「PCR検査は限界がある」として慎重な評価が必要との見方を示した。厚生労働省の現行基準では、2度陰性が続けば感染者の管理から外れるというが、同病院の木原康樹院長は「検査だけでは感染の有無を明確にできない。ただ、(陰性でも)疑いがある患者を扱い続けるのも、受け入れ態勢に制限がある」ともどかしさを口にする。

 同病院の関係者はPCR検査で、検体の採取方法も課題に挙げる。患者の飛沫を浴びる恐れがあるため、医師が検体を採る際、綿棒を鼻の奥に十分挿入していない可能性があるという。

 また、地域で医療に携わる医師らでつくる「日本プライマリ・ケア連合学会」は新型コロナ感染症に関する手引で、PCR検査の結果について、感染者が陽性と判定されるのは30~70%程度と紹介し、感染者の見逃しに言及する。同学会は「陰性の結果に安心して外出するなど、検査件数が増加すれば感染が見逃される感染者も増加し、リスクも高まる」と警鐘を鳴らしている。(井川朋宏)

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