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ずらりと並べられ調整作業が進むパソコン=神戸市中央区東川崎町1、市総合教育センター
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ずらりと並べられ調整作業が進むパソコン=神戸市中央区東川崎町1、市総合教育センター

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う休校が長期化する中、小中学校でオンライン学習の導入が喫緊の課題となっている。文部科学省は子どもが1人1台のパソコンを使える環境整備の前倒しなど対策を進める一方、正式な授業と位置付けることには否定的だ。特に義務教育段階では学校で集団生活などを学ぶことも不可欠との考えに基づくが、政府内にはこの事態を機に授業化へつなげようとする動きもある。

 「決定直前に盛り込まれることが決まった」。4月7日に閣議決定された緊急経済対策の一節を巡り、文科省幹部は不本意な思いをにじませた。

 40ページ近い文書の後半にある「遠隔授業における要件の見直し」は小中学校を念頭に、教員が自宅にいる子どもに対してオンラインで教えたり、子どもが自分でパソコンなどを使って課題に取り組んだりする学習を「正式な授業に参加しているものとして認められるようにする」とした。

 政府の規制改革推進会議が同じタイミングで出した提言とほぼ共通した内容だが、閣議決定文書にまで入り込むのを文科省側が把握したのは発表のわずか数日前。教育の自由化を進めようとする政府内外の動きが、「何を授業と位置付けるか」という文科省の根幹に触れた形だ。

▼1人1台

 文科省が進める「GIGAスクール構想」は、2023年度までに全ての小中学生が学校で1人1台のパソコンを使えるようにするもの。緊急経済対策はこれを大幅に前倒しした上で、通信環境を整えられるようモバイルルーターの貸し出しも打ち出した。担当者は「オンラインでの学習ができる学校はどんどんやってほしい」と話し、自宅へのパソコンの持ち帰りも促す。

 それでも文科省は、自宅でのオンライン学習を正式課程に位置付け、学年ごとに定めた年間の標準授業時間数にカウントすることには慎重な姿勢を崩さない。もし認めれば、登校日が大幅に少ない小中学校が現れるなどし、教員や同級生らとの対面による学びの軽視につながりかねないと考えているためだ。

▼つじつま

 義務教育を担当する文科省職員は、オンライン学習の広がりについて「効果的に学べる面はあるだろうが、一緒に授業を受ける場がなければ、一日何時間も勉強すること自体が難しい」と限界を指摘する。さらに、学校は子どもの生活の場でもあるとし「休校が長引くほど、毎日通う学校が果たしてきた役割の大きさが浮き彫りになる」と話す。

 文科省は4月10日、オンライン学習などにより、本来は授業で教える内容が子どもに定着すれば、今回に限って学校再開後に同じ内容の授業を対面で行う必要はないとの通知を出した。ただ、オンライン学習の時間は従来通り標準授業時間数には含めないとし、緊急経済対策の文言と、これまでの見解とのつじつまを合わせた形だ。

     ◇     ◇

■貸与PC、準備急ピッチ 神戸市教委

 新型コロナウイルスの影響で、31日までの休校延長を決めた神戸市教育委員会が、情報通信技術(ICT)環境が整っていない児童生徒の家庭に貸与するため、パソコン(PC)とルーター2千セットの準備を急ピッチで進めている。

 各パソコンにセキュリティーソフトを入れたり、パスワードを設定したりする作業は、4月20日から開始。派遣職員ら総勢16人が、夜遅くまで取り組む。

 調整の済んだパソコンは、中学3年と小学6年に優先的に貸与される。各家庭に届くのは5月中旬以降になりそうだという。(三津山朋彦)

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