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民事裁判での争点整理手続きで導入されるウェブ会議(最高裁判所提供)
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民事裁判での争点整理手続きで導入されるウェブ会議(最高裁判所提供)

 神戸地裁は11日、民事訴訟を対象に、裁判所と弁護士事務所などをインターネットでつなぎ、弁護士や裁判官、訴訟当事者が手続きを進められる「ウェブ会議」を地裁本庁で始めた。裁判所に来なくてもよいため、訴訟の進行のスピードアップが期待される。新型コロナウイルス感染を予防するためにも運用が広がりそうだ。(村上晃宏)

 ウェブ会議は、民事訴訟の主張や証拠を整理する「争点整理手続き」で、原則非公開で行われる。米マイクロソフト社のアプリケーションを使ってビデオ通話機能でやりとりし、これまでの電話協議に比べると、顔や画像を見て話せるので意思疎通が向上する。原告と被告双方の主張内容は、データで保存し後からでも見られるようにする。

 ウェブ会議は裁判所から打診する場合もあれば、当事者からも要望できる。神戸地裁によると、コロナ対策として当事者が希望し、3月25日に1件の利用があった。4月の緊急事態宣言後は民事訴訟の予定が全て取り消されており、今後も同様の利用が予想される。

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 ウェブ会議が採用された背景には、民事訴訟の長期化がある。

 全国の地裁(本庁と支部)で、2018年の民事訴訟の平均審理期間は9・0カ月で、2年以上に及ぶ審理もある。神戸地裁も19年は10・1カ月を要している。長引く審理の課題に、訴訟当事者の経済的負担や意欲の低下が挙がっていた。

 このため、政府は17年から、有識者でつくる検討会を置き、民事訴訟のIT化を図る議論をスタート。全国の地裁で導入が始まったウェブ会議は、裁判所に出向く負担が減り、訴訟の迅速な進行にもつながる。

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 兵庫県弁護士会も神戸地裁と連携し、ウェブ会議を使った模擬裁判を試みるなどして準備してきた。県弁護士会プロジェクトチームの座長を務める柴田眞里弁護士(51)は「裁判所に行く時間と手間が省け、日程を合わせやすい」とメリットを語る。

 だが、懸念もある。カメラやマイクが付いたスピーカーは当事者が用意する必要があり、弁護士や原告、被告間の情報格差が生じかねない。安定した通信環境の整備も必要だ。柴田弁護士は「情報流出や成り済ましなどの危険性もある」と注意点も指摘する。

【民事訴訟のIT化】インターネットを使った訴状の提出や争点整理の協議など、裁判手続きの効率化を図る制度改革。大学教授や弁護士らでつくる政府の検討会は全面IT化を目指している。一方で、オンラインによる訴訟提起や訴訟記録の電子化には、誤送信や情報漏えい、改ざんなどの危険性があり、書面のペーパーレス化などは民事訴訟法の改正も必要となる。

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