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兵庫県警が配信している手遊び動画の一場面(県警提供)
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兵庫県警が配信している手遊び動画の一場面(県警提供)

 兵庫県内で特殊詐欺の被害が大幅に増えている。今年1~3月は236件と前年比1・8倍となった。被害者は65歳以上が9割を占める。県警は、新型コロナウイルス感染対策で在宅時間が長くなり、電話を受ける機会が増える一方、周囲との情報共有ができていない可能性があるとみる。啓発を呼び掛ける動画の配信や、弁当の宅配業者と協力してチラシを各家庭に配布するなど対策を講じている。(堀内達成)

 県警生活安全企画課によると、同じ期間の被害額は約3億9千万円で、前年の約2億8千万円から1・4倍に増えた。被害者の77%が女性だったという。

 とりわけ「税金の還付金がある」と電話をかけ、コンビニの現金自動預払機(ATM)を操作させて預貯金をだまし取る手口が、4件から49件に増えた。

 新型コロナ対策で、外出自粛や、密閉、密集、密接の「3密」の回避が求められており、県警は詐欺への注意を促す催しや高齢者施設への訪問を中止している。

 県警生活安全企画課の担当者は「高齢者同士で集まる機会が減り、オンラインで(情報不足を)補える人は少ないのではないか」と推測する。「孤立した高齢者が、話し相手を装う手口などで取り込まれてしまったのでは」とみている。

 県警は、この状況に歯止めをかけるため対策を打っている。加古川署と同課は、同署の高橋明日香巡査長が考案し、小学2年の長女と出演した動画を配信。詐欺被害防止のキーワードを盛り込んだ手遊び歌で、子どもらが祖父母と一緒に遊ぶことを促す。

 また、同課では、弁当の宅配事業を展開する企業2社の協力を得て、今月7日から、弁当と一緒に詐欺の手口を記したチラシを配布してもらっている。両社で、県内全域の約1万6千世帯に配る予定だ。

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