兵庫県内の新型コロナウイルスの感染者状況をまとめたサイトが注目を集めている。有志らが県の公表データをもとに、日々の陽性患者数などに関する情報を更新し、1日約1万人がアクセスするという。高校生プログラマーが開発に重要な役割を担っているのも特長で、「コロナが収束し、サイトが不要になるまで役目を果たしたい」と使命感に燃えている。(大島光貴)
神戸のアプリ開発会社社長、大山雄輝さん(39)らが運営する「兵庫県新型コロナウイルスまとめサイト」。県内在住者らに分かりやすく現状を伝えて適切な対策を促そうと、大山さんが東京都庁のサイトの仕組みを利用して制作し、3月に開設した。
インターネット上で開発や広報の協力者を募ったところ、システムエンジニアや公務員、ライターら50人以上が名乗りを上げ、オンライン上で議論をしながら開発を進めている。
このうち開発メンバーの芦田裕飛さん(16)=尼崎市=と野崎智弘さん(18)=西宮市=は大阪の私立高校生。芦田さんは年代やクラスター(感染者集団)別に陽性患者数のグラフを作り、県のオープンデータを自動で取得して反映させるプログラムを組んだ。
野崎さんは日々のデータ更新に際してコード(文字列)を最終確認し、検索エンジンで上位に表示される最適化も手掛ける。ともに独学で技術を習得したという。
2人が参加したのは「自分たちにもできることがあるのでは」との思いからだ。野崎さんは「皆さんと一緒にコロナに対し行動を起こす経験ができてうれしい」と手応えを感じ、芦田さんも「開発に関われたのは誇り。役目を終えるまでやりきりたい」と誓う。
サイトは徐々にアクセス数を伸ばし、約3万の閲覧数を記録した日もある。英語や中国語、韓国語版などの公開も始め、治療中患者数の情報も追加した。大山さんは「日本語を読めない人の役にも立ちたい。サイトへのアクセスがなくなるのが最終目標」と話す。
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