世界的指揮者・佐渡裕さんが育てた奏者で構成する神戸の弦楽オーケストラ「スーパーストリングスコーベ」が、昨年のラグビー・ワールドカップ(W杯)のテーマ曲の演奏を、動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開した。国内外に点在するメンバーがそれぞれの演奏を自分で撮影。それらを組み合わせて1本の動画に編集した。コロナ禍と戦う世界の人々に、激励の音色を送っている。
スーパーストリングスは、兵庫県立芸術文化センター(西宮市)の芸術監督の佐渡さん率いる「スーパーキッズ・オーケストラ」のOB、OGが集い、2017年に創設された。現在、メンバーは19~32歳の49人。毎年夏と冬の2回、神戸で定期公演を開く他、国内各地で演奏してきた。
メンバーは普段、日本やヨーロッパで研さんを積む。しかし、ロックダウン(都市封鎖)などのため、厳しい生活を送る人もいる。
今回の動画は、スーパーストリングスを運営するHKMエンタープライズ(神戸市中央区)が企画。世界で演奏会が中止される中、激励の音楽を届けようと、苦境を越えて団結した。
曲は「WORLD IN UNION(ワールド・イン・ユニオン)」。日本、オーストリア、ドイツなどのメンバー一人一人の演奏風景から始まり、最後は全員の「協演」へと展開する。阪神・淡路大震災を乗り越えた神戸港の夜景で締めくくる。
ベルギーから参加したバイオリニストの大和美祈さんは「買い物や練習の制限が厳しくなり不安な毎日だった。しかし、動画を作成し、離れていてもみんなとつながっていると思った」と話している。
スーパーストリングスは過去の演奏動画も配信している。(津谷治英)
【記事特集リンク】新型コロナウイルス









