新型コロナウイルスの感染拡大と時を同じくして現れた「自粛警察」。他者を監視し、自粛を強いる行為は時にエスカレートし、犯罪行為となることも。兵庫県西宮市在住の10代の男性は所有するバイクのナンバープレートに「自粛しろ」とマジックで書かれ、ツイッターに憤りをつづった。男性は「警察に被害届けを出せば、器物損壊罪になる行為。このようなことはしないで」と訴えている。(伊田雄馬)
「ナンバープレートに何か書きましたか?」
男性は17日午前、バイクで走行中、警察に呼び止められた。バイク後部のナンバープレートを確認すると、数字の上から大きく「自粛しろ」とマジックで書かれていた。
男性がバイクを置いていたのは西宮市の自宅で、バイクは神戸ナンバー。各地で報告事例がある「県外ナンバー狩り」には当たらない。男性は怒りをぶちまけた。
「おい自粛警察。これはやりすぎやぞほんまに」
男性が自らのアカウント「悪魔のz乗りジョルノ(@5454takei)」で発したツイートは拡散し、20日正午時点でリツイート数約2万、「いいね」は約4・3万回クリックされた。男性に話を聞いた。
-“自粛”を強要される心当たりはありますか?
「一人暮らしなので買い物に行ったり、バイクをいじっていたりしていたので、それを見たのかもしれません」
-落書きに気付いた時、どのように感じましたか?
「なぜこんなことを、という疑問より、ただ怒りがわいてきました。大切にしている愛車なので…」
-落書きは消えましたか?
「油性ペンで書かれていて、水では消えなかったため汚れ落とし用の消しゴムを使いました。30分くらいかかり、とにかくこするのがしんどかった」
-ツイッター上で大きな反応があったことについてはどう感じますか?
「良かったと思います。防犯意識も高まるし、落書きをした人も自分のしたことの重大さを知ることになるからです」
「一方で、ツイートに対し『売名行為で自ら書いたのでは』というコメントがあったのは残念でした。SNSだから色んな意見が寄せられるのは分かるけど、大切な愛車にそんなことをするはずがありません」
-“自粛警察”に便乗した悪質ないたずらかもしれません。
「自粛を呼びかけるのはいい事だと思うけど、限度を考えて行動してほしいと思います」
-犯人に言いたいことは?
「警察に被害届けを出せば、器物損壊罪になる行為。今回はきれいに消えたので申告しませんが、次はないと思ってほしい」
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