兵庫県は21日、新型コロナウイルスの特別措置法に基づく緊急事態宣言の解除を受けて、対策本部会議を開き、一部の施設で継続してきた休業要請を大幅に縮小する対処方針を決めた。感染防止のため不要不急の外出自粛や、全国でクラスター(感染者集団)が発生した夜の接客を伴う店などへの休業要請は続けるが、それ以外はおおむね解除。大阪、京都府と足並みをそろえ、23日午前0時から適用する。
兵庫県は、政府が14日に宣言解除を見送った際、専門家会議が示した「人口10万人当たり0・5人程度以下」など新規感染者数の目安を既に下回っていたが、大阪と隣接していることから宣言の継続対象となっていた。
井戸敏三知事は宣言の解除について「外出自粛と事業者の協力があって大きな効果を挙げた」と評価。感染拡大の「第2波」も念頭に「医療体制の確保など対応力ができたが、当面は新たな生活様式の定着に協力してもらいたい」と県民に呼び掛けた。
休業要請の見直しでは、大規模店(床面積千平方メートル超)に限って要請を続けてきたパチンコ店やネットカフェ、ゲームセンターなどで解除。クラスターが出たスポーツジムの類似施設として重視してきた体育館やボウリング場なども再開を認める。
居酒屋を含む飲食店は営業時間を午後10時まで、酒類の提供も午後9時までとして時間短縮を求めてきたが、全面解除とした。
一部地域で休館を続けてきた県立の美術館や博物館など社会教育施設は、入館者の氏名や連絡先を把握する対応を取った上で順次、県内全域で開館を進める。
一方、これまでにクラスターが発生したライブハウスや夜の接客を伴うスナックなどの店舗、スポーツジムなどについては、大阪府などとも協議し、休業要請の継続を決めた。
県としては、感染状況や政府の専門家会議の意見、緊急事態宣言が継続された関東圏などの解除の可否などを加味し、31日の時点で休業要請を解除するかどうかを再び検討するという。(井関 徹)
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