新型コロナウイルス感染症の影響で、兵庫県が来春入庁する職員の採用活動に苦慮している。公務員は長らく人気低迷が続くが、感染拡大防止のため説明会などは中止せざるを得ない。ポスターを工夫したり、急きょPR動画を作成したりと対策を打つ。(藤井伸哉)
県の大卒新規採用は例年、6月下旬の筆記試験で始まる。3~5月は大学や就職支援企業のセミナーなど約30回の説明会を開く予定だったが、全て中止した。
今春入庁した県職員の全職種の競争倍率は3・4倍で過去最低だった。民間との競合により、就職氷河期でピークだった25・4倍(2001年春入庁)に比べ、7分の1以下に沈んだ。
人材獲得のため県が頼るのが、大学や駅などに掲示するポスター。切実な思いが伝わるよう、写真やイラストを使わず、黄色の背景に黒の文字だけで作った。
「やりたいことを見つける。けっこう難問だ」「だったら、ひとまず。人の役に立つ仕事に飛び込んでみるのも悪くない」
担当者は「押しつけがましい言葉より、選択肢を示す方が若者受けする」と、学生の思いを忖度(そんたく)する。
動画は、仕事の内容や県の重要施策など4項目を約10分にまとめた。25日からホームページで見られる。
担当者は「公務員は多彩な分野で社会に貢献できる。まずは応募してほしい」と話した。
【記事特集リンク】新型コロナウイルス