新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言が解除されて一夜明けた22日、兵庫県内の大型映画館や開店準備を進めていた百貨店が営業を再開した。「この日を待っていた」と駆けつけた客の笑顔が見られる一方、施設側は感染予防策に神経をとがらせた。
県内の映画館は4月7日の緊急事態宣言後、営業を自粛していたが、5月15日に休業要請が一部解除されてから営業再開の準備を進めてきた。
45日ぶりの再開となったOSシネマズ神戸ハーバーランド(神戸市中央区)では、午前10時半の開演を前に約10人が入場した。座席の間隔を2席ずつ空け、入場時のチケットはスタッフに手渡さず、目視で確認。ロビーのソファやテーブルも減らした。
運営会社によると、新作の配給見通しが立たないため、当面は休館直前に封切られた作品や過去の人気作品を中心に上映。アニメ作品「天気の子」を鑑賞した同市東灘区の男性(58)は「テレビで見るのとは異なる迫力を、ずっと楽しみにしていた」と笑顔だった。
この日は、神戸国際松竹(同市中央区)▽シネ・リーブル神戸(同)▽イオンシネマ(明石、加古川、三田市)が再開。OSシネマズミント神戸(神戸市中央区)は25日、109シネマズHAT神戸(同)とアースシネマズ姫路(姫路市)は29日、元町映画館(神戸市中央区)は30日から再開する。
また、食品売り場を除き、4月8日から休業していたそごう西神店(同市西区)も再開した。
店内は、客同士の間隔を保つために売り場のワゴンを減らすなどレイアウトを変更し、レジには飛沫(ひまつ)感染を防ぐビニールシートを設置。売り場に出る従業員はフェースガードを着けて接客した。
シャツを買いに来たという主婦(78)は「週2回は利用していたので再開を待っていました」と明るい声で話した。同店は8月末での閉店が決まっており、当面は時間を短縮して営業するという。(井原尚基、三島大一郎)
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