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陰圧ブースに入れた患者を見守る看護師=神戸市須磨区大池町5、高橋病院
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陰圧ブースに入れた患者を見守る看護師=神戸市須磨区大池町5、高橋病院
待合スペースのいすも、強制的に距離を取るよう一部をテープで使用禁止にした=神戸市須磨区大池町5、高橋病院
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待合スペースのいすも、強制的に距離を取るよう一部をテープで使用禁止にした=神戸市須磨区大池町5、高橋病院

 兵庫県に対する緊急事態宣言が解除され、新型コロナウイルス感染「第2波」への備えが求められる中、医療機関では、救急搬送患者からの院内感染対策が大きな課題となっている。県内で感染者が急増した4月、院内感染を恐れ、発熱した救急患者の搬送先がすぐに決まらない状況が、神戸市内で相次いだからだ。「神戸市第二次救急病院協議会」(全46病院)は対応に苦慮しつつも対策を進め、「心肺停止など一刻を争う患者は従来と同様に受け入れてきた。今後も続けたい」とする。(霍見真一郎)

 神戸市消防局によると市内で4月、搬送先が決まるまでに病院に4回以上問い合わせ(照会)したのは、前年同月比2・1倍の176件。うち発熱や呼吸器症状を伴う患者は56%を占めた。同協議会が会員病院に4月上旬に実施した緊急アンケートでは、発熱患者の受け入れを「断ることがある」「断ることが多い」などと25病院が回答。答えた42病院の約6割に上った。

■高い感染力に恐れ

 同協議会によると、照会回数が多かった患者には風邪などの軽症者が多く、病院との交渉が長引く間に帰宅する人もいたという。

 一方で病院側は、無自覚、無症状の患者受け入れに戦々恐々としていた。同協議会などは4月9日、神戸市立医療センター中央市民病院の感染管理認定看護師を呼び講習会を開いたが、後に同病院自体で院内感染が発生。神戸赤十字病院でも院内感染が広がった。明石市では感染者を搬送した救急隊員も感染した。その強い感染力への恐れは、各会員病院に広がった。

■経営に致命的打撃も

 同協議会の高橋玲比古(あきひこ)会長は「救急対応だけでなく、持病で入院している患者を守ることも重要」と強調する。対応策として、同会長が院長を務める病院では、発熱外来用テントや陰圧ブースを計約300万円かけて購入。また緊急アンケートでは約7割の会員病院が、「発熱患者の動線を変更した」と回答した。心肺停止患者などの搬送依頼は、そうした対策を講じた病院が受け続けたという。

 さらに、同協議会の声を受け、市保健所は6月までの期間限定で、発熱し肺炎が疑われる救急患者の検査の要件を緩和した。それでもPCR検査で陰性が確認されるまでは、他の入院患者と隔離する必要がある。「どの患者もコロナに感染している前提の対応」は、精神的、経済的に病院の重い負担となっている。

 現時点ではまだ、院内感染を完全に防ぐ手だてはない。高橋会長は「綱渡りの日々。院内感染は、コロナ禍で経営が厳しい病院にとって致命的な打撃になりうる。第2波でコロナ対応病院以外から医療崩壊が起きないよう、行政には防護策への経済的支援の拡充を求めたい」と話した。

【2次救急医療機関】容体別に1次(軽症)、2次(重症)、3次(重篤)と区分する地域ごとの救急医療体制で、救急搬送の一般的な受け入れ先となる病院。神戸市内では、県が3次救急医療機関に神戸市立医療センター中央市民病院、神戸大病院、兵庫県災害医療センターを指定。いずれも中央区にあるため、搬送に時間がかかる場所の心肺停止患者は、2次救急病院に運ばれることが多い。

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