2日、約70日ぶりに再開したばかりの兵庫県立美術館(神戸市中央区)で特別展「超・名品展」(神戸新聞社など主催)が開かれている。コロナ禍の影響で会期はわずか6日間。同館の前身、県立近代美術館が1970年に開館し50周年となるのを記念し企画された。明治から戦後の70年ごろまでの日本美術を、「名品」をキーワードに再考する。(堀井正純)
「名品」とは? 「時代によって変わり、捉え方は人によっても異なるが、芸術の世界では案外変化が好まれなかったりもする」と担当した西田桐子学芸員は苦笑する。女性作家の作品が少ないことなどを含め、タイトルの「超」には、硬直した権威主義への批判も込められている。
そのため出品作はだれもが知る超メジャー作というよりはむしろ、「通」好みのマニアックな作品が少なくない。高橋由一は、「鮭図」ではなく「豆腐」が、岸田劉生は「麗子像」ではなく、地味な「壺」が並ぶ。教科書に載るような有名作は、和田三造(但馬・生野出身)の代表作「南風」くらいか。知名度では、マケット(模型)が展示された岡本太郎の「太陽の塔」が1番だろう。
とはいえ、由一の「豆腐」は文句なく面白い。江戸のなごりを色濃くとどめる、近代最初期の油彩画。いわゆる静物画だが、豆腐がモチーフの静物画など、日本以外ではありえない。「由一は、油絵を見たことがない人々に、身近な題材で、こんなに本物そっくりに描けると教えたかった」と西田学芸員。対象をわしづかみにしたような触覚的な表現、迫真性は、不思議な新鮮さを失っていない。
明治・大正・戦前・戦後と時代別の4部構成で、100点余りを紹介。解説を読めば、調査・研究により、作品評価がどう変わったか理解できる。
戦後美術では、円と線の連なりをモチーフにした田中敦子ら、「具体美術協会」の元メンバーの抽象画が目を引くが、「関西が拠点だった『具体』作品は、まだ関東では名品扱いされないかも」と西田学芸員。名品の評価には地域差もある。会場で、自らの審美眼で、今後さらに評価が高まりそうな作品を探すのも面白そうだ。7日まで。予約制。同館TEL078・262・0901
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