世界的建築家の安藤忠雄さん(78)が初めて手掛けた絵本「いたずらのすきなけんちくか」(小学館刊)が刊行された。安藤さんが設計・寄贈した児童向け図書館「こども本の森 中之島」(大阪市北区)の魅力を紹介しつつ、美学や創作の秘密に迫る。(堀井正純)
同館は3月にオープンする予定だったが、新型コロナ禍により開館が延期されている。絵本の主人公は、父に連れられ同館を初めて訪ねた幼い兄妹。2人の前に、黒服姿でおかっぱ頭の謎の建築家が現れて館内を案内し、建築の仕事や、さまざまな建物について説明する。建築家のモデルは若き日の安藤さんだ。
「ぼくは、たてものにいたずらをしこむんだ」「べんりじゃないもの。いっけんむだにおもえるもの。すぐにはこたえがわからないもの。そういうものがじつはいちばんおもしろい」。建築家の言葉に子どもらは驚いたり、うなずいたり。最後は「おじさん。けんちくかってなんだかおもしろいね」と満足げに答える。
安藤さんは、兵庫県西宮市の北山家の双子の兄として誕生し、生後すぐ母方の祖父母である安藤家の養子となり、大阪市で育った。絵本には、安藤さんの代表作である「光の教会」(大阪府)や「ベネッセハウス」(香川県)、中国・上海のオペラホール「上海保利大劇院」なども登場。本の帯には、交遊のある指揮者で兵庫県立芸術文化センター(西宮市)芸術監督の佐渡裕さんが「世界的建築家の頭の中がわかってしまう一冊!」との言葉を寄せている。
絵は、佐渡さんと絵本「はじめてのオーケストラ」を共作した西宮市生まれの絵本作家・イラストレーターはたこうしろうさんが担当。温かみのある絵が心に残る。
A4判・40ページ、1760円。











