総合 総合 sougou

  • 印刷
新型コロナウイルスの感染拡大により休校になり、閑散とした教室=5月、神戸市内
拡大
新型コロナウイルスの感染拡大により休校になり、閑散とした教室=5月、神戸市内
神戸新聞NEXT
拡大
神戸新聞NEXT

 新型コロナウイルス感染拡大による学校休校が続いていた4~5月、私立学校の生徒の保護者らから、授業料や施設使用料の返還・減額を求める声が相次いだ。国は「授業料は年単位の教育の対価であり、必ずしも返還されるべきではない」と否定的だが、コロナによる経済的な影響で家計が急変した世帯にとっては現在も死活問題となっている。兵庫県内でも、退学を余儀なくされた生徒がいる。各学校は減免制度の検討を始め、兵庫県も授業料軽減制度の拡充に乗り出した。

 今春、次男(16)が県内の私立高校に入学したという男性(56)は、入学金と5月までの授業料などとして70万円以上を納めた。腰に障害がある男性は無職で、一家の収入は飲食店に勤務する妻の稼ぎのみだったが、費用の安い公立校への入学はかなわなかった。

 だが、コロナ禍で妻の店は休業が続き、収入が激減。学費が返還されるなら退学し、定時制高校への転校も検討したが、学校からは「返金できない」と説明された。何度も家族会議を重ねた末、次男は中途退学を決断。今月から建設作業員として働いている。

 休校中は教諭によるオンライン授業もなく、再開後の授業の補充についても具体的なことは示されなかった。手元には真新しい制服とかばんだけが残った。男性は「休校が学校の責任ではないのは分かるが、低所得世帯にはやりきれない。親よりもつらいのは、退学を決めた子ども自身だ」と唇をかむ。次男は働きながら高卒資格を得るため、仕事に慣れてきたら通信制高校に入るつもりだ。

 高校授業料は公立で年収910万円未満の家庭は無償、私立でも590万円未満なら国から無償相当の支給がある。だが、私立は入学金や学校納付金の額も大きく、収入が激減した家庭には大きな負担となる。保護者から「授業がないのに授業料を払う必要があるのか」との不満も漏れた。

 文部科学省は授業料を授業日数に応じたものではなく、年単位の教育活動の対価と位置付ける。担当者は「各校が必要な学習機会の確保に向けて取り組んでいると理解している」とするが、オンライン授業導入などにも学校間で差があり、保護者の不満につながったとみられる。

 神戸市北区の女性(49)も長男が県内の私立高校に入学し、1学期分の授業料や施設使用料計65万円を払った。学校選びの決め手となった施設を使う機会は6月までなく、「施設使用料だけでも1学期分を免除できるのでは」と話す。

 神戸市内のある私立高校には4月以降、「授業料に見合った学習機会を確保できるのか」といった電話やメールが10件程度寄せられた。市内の別の私立高校の教頭は「新型コロナの影響で働き手がいなくなった世帯など、事情に応じて支払いを待つことはある」と話した。

 兵庫県は、低所得者向けの授業料軽減補助の対象を、新型コロナの影響で収入が減ったり休業に追い込まれたりした世帯にも拡大。さらに、私立高校に子どもを通わせる低所得の保護者に支給している奨学給付金に1万円を上乗せする方針を決め、補正予算案に盛り込んだ。(竹本拓也)

【記事特集リンク】新型コロナウイルス

総合の最新
もっと見る

天気(11月29日)

  • 15℃
  • 9℃
  • 20%

  • 13℃
  • 7℃
  • 50%

  • 16℃
  • 9℃
  • 10%

  • 15℃
  • 8℃
  • 20%

お知らせ