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生●(きもと)造りの工程をいまに伝える菊正宗酒造記念館。副館長の松田昌晃さんが蔵人の苦労に思いをはせる=神戸市東灘区魚崎西町1(撮影・吉田敦史)●は「酉」の右に「元」
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生●(きもと)造りの工程をいまに伝える菊正宗酒造記念館。副館長の松田昌晃さんが蔵人の苦労に思いをはせる=神戸市東灘区魚崎西町1(撮影・吉田敦史)●は「酉」の右に「元」
現存する日本最古の酒蔵「旧岡田家住宅・酒蔵」=伊丹市宮ノ前2(撮影・風斗雅博)
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現存する日本最古の酒蔵「旧岡田家住宅・酒蔵」=伊丹市宮ノ前2(撮影・風斗雅博)
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 文化庁は19日、地域の有形、無形の文化財をストーリーとしてまとめ、魅力を発信する「日本遺産」に、新たに21件を認定した。兵庫県からは「『伊丹諸白(もろはく)』と『灘の生一本(きいっぽん)』 下り酒が生んだ銘醸(めいじょう)地、伊丹と灘五郷」(伊丹市、尼崎市、西宮市、芦屋市、神戸市)が選ばれた。日本酒をメインテーマにした日本遺産は初めて。兵庫県内の認定は都道府県別で最多の9件となった。

 日本遺産は2015年度に創設され、20年度までに100件程度の認定を目指してきた。今回は申請のあった69件から有識者が選定。東京都でも初めての認定があり、認定資産は全都道府県に及んだ。認定件数が目安を上回る計104件に達したため、募集は当面中止する。文化庁は「テーマや時代もほぼ網羅できた」としている。

 「『伊丹諸白』と-」は江戸時代、上質の清酒が江戸へ届けられ、「下り酒」と称賛された醸造地としての伝統に加え、醸造家らが阪神間モダニズムなどの文化を育んできた歴史や、六甲山などの自然環境を一体的にPRした。日本酒がインバウンド(訪日外国人客)に訴求力がある上、ボランティアガイドの育成や子ども向けのセミナーなど、将来を見据えた計画も評価された。

 一方、兵庫県太子町が申請自治体に含まれる「ここに聖徳太子が『実在』する-奈良を中心に受け継がれる1400年の太子信仰-」▽宍粟市が岡山県美作市などと申請した「古くて新しい『里地里山』-後山の麓で息づく人と自然の物語-」▽南あわじ市が徳島県鳴門市と申請した「渦巻く『鳴門』~潮流がいざなう絶景・絶品~」-は認定を逃した。

 今回、他に認定されたのは、養蚕で栄えた東京都八王子市の養蚕農家や絹商人に信仰されてきた「霊気満山(れいきまんざん) 高尾山」▽サケを通じた自然の営みやアイヌ、ロシアとの文化交流を取り上げた北海道の「『鮭の聖地』の物語」▽江戸時代の滑稽本「東海道中膝栗毛」をテーマに選んだ静岡県の「日本初『旅ブーム』を起こした弥次さん喜多さん、駿州(すんしゅう)の旅」-など。(永見将人)

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