都道府県をまたぐ移動が解禁された19日、兵庫県内のバス会社やシティーホテル、空港は、新型コロナウイルス感染防止へ万全の対策をアピールし、回復が見込まれる観光客らを受け入れた。
神姫バス子会社の神姫観光(姫路市)は同日、約2カ月ぶりにバスツアーを再開した。JR相生駅前では、「四国八十八ケ所お遍路の旅」の参加者5人が、マスク姿で検温後に車内へ。窓の開放やエアコンの外気導入で換気を徹底し、大声の会話や席の移動を控えた。当面、参加者1人につき2席を用意する。
同社は4月8日からツアーを全面中止し、観光を含む貸し切りバスの4、5月の営業収入はそれぞれ、前年同月の約1割に落ち込んだ。兵働忠志社長は「元に戻るのはまだ先。参加者の安全を最優先に考える」と気を引き締めた。
神戸市内のホテルなど約150施設は、感染防止の徹底を示す統一デザインの「宣言書」を掲示し始めた。官民でつくる神戸観光局が作成した。
同市中央区京町のホテル「ORIENTAL HOTEL」は、1階の手荷物預かり所やレストラン階などに掲示。来館時の検温や、手指の消毒、キャッシュレス決済対応への理解を訴える。宇野彰洋総支配人は「業界指針に加え、地域一丸の取り組みを知らせることで安心してほしい」と話す。市は賛同する施設をさらに増やす方針。
神戸空港では、運営会社の関西エアポートがマスク着用の啓発活動をした。社員とグループキャラクター「そらやん」が利用者にチラシを配って手洗いや体調管理を呼び掛け、マスクの配布もした。啓発活動は大阪(伊丹)、関西の両空港でも実施。搭乗カウンターや空港内店舗を消毒し、待合ロビーでは間隔を空けて座るよう案内する。(三島大一郎、横田良平)











