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腰痛予防で、ケースを持ち上げなくて済むように傾斜を付けたコンベヤー=神戸市東灘区御影本町1
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腰痛予防で、ケースを持ち上げなくて済むように傾斜を付けたコンベヤー=神戸市東灘区御影本町1
飾りだるを作る際、体に当たらないようにガードを設けた鎌=神戸市東灘区御影本町1
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飾りだるを作る際、体に当たらないようにガードを設けた鎌=神戸市東灘区御影本町1

 2019年、兵庫県内の労働災害が3年ぶりに減少に転じた。兵庫労働局では同年から、職場に潜むリスク(危険性)の事前改善を進める「兵庫リスク低減MS運動」に取り組み、早速効果が表れた格好となった。7月1~7日は労働災害の防止を呼び掛ける「全国安全週間」。同労働局は労災での死亡者を15%減(17年度比)とするなどの数値目標を掲げ、運動の徹底を図る。(上杉順子)

 MSはマネジメントシステムの頭文字で、運動は4年計画で進める。国は死亡または負傷して職場を4日以上休む場合に労災としてカウントするが、MS運動は事故が起きてもかすり傷程度で済むよう、事前にリスクを下げる。

 事業者の取り組み事項は、経営首脳による「安全衛生宣言」▽リスク評価の研修受講と実施▽リスクの低減方策の確実な実施-など。経営トップに強く関与してもらうのが特色といい、同労働局の担当者は「危ない環境で働いている従業員がいると社長に気付いてもらうことが大切」と話す。

 現在、県内1300以上の事業所が参加する。具体的には、手などを挟みそうな機械の可動部はカバーで覆う▽カバーができない場合は人が近づくと停止するセンサーを付ける▽よじ登る必要がある場所には、はしごやステップといった安全に昇降できる設備を設置する-などの措置が取られた。

 同労働局のまとめによると、県内の労災の年間死傷者はリーマン・ショック直後の09年以降、おおむね4千人台で横ばい。19年は死亡31人(前年比5人減)、死傷4926人(同116人減)だった。MS運動では、22年までに年間の死亡を25人以下(17年比15%減)、死傷を4554人以下(同5%減)にすることを目標とする。

■危険度点数化、対策に優先順位 菊正宗酒造

 兵庫リスク低減MS運動に参加する菊正宗酒造(神戸市東灘区)は、充填・梱包作業を担当する製品部が2009年から事前のリスク軽減運動に取り組み始め、効果を上げている。

 同社の労災は割れた瓶による裂傷などが目立ち、00~08年度に15件が発生し、うち4件は休業4日以上だった。08年11月には立て続けに4件が発生した。

 09年度から製造ラインの各チームが改善項目を提案し、これまで182件が検討された。危険な機械に近づく頻度、けがをする可能性などでリスクを数値化し点数が高い項目から改善する。安全措置を講じた後も残るリスクも検証する。

 鏡開き用の飾りだるを作る部門では、綱を切る鎌が従業員の体に当たらないよう改造。重いケースを持ち上げて腰痛を起こさないよう、コンベヤーに傾斜を付けたり、つまずく恐れがあった床のコンベヤーに橋をかけ、またがずに通れるようにしたりした。

 この結果、11年度以降の同社の労災は、休業4日以上は15年の1件、合計でも4件にとどまる。現在は「労災の休業なし2千日」を目標に掲げ、6月下旬で1700日を超えた。

 同部の川原秋人部長は「改善点はいくらでも出てくるが継続してやっていくしかない」と気を引き締める。(上杉順子)

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