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世界最小の恐竜卵化石、丹波で発見 新種の獣脚類

2020/06/23 20:13

 兵庫県立人と自然の博物館(同県三田市)と筑波大学は23日、丹波地域に分布する篠山層群で発掘した約1300点の卵・卵殻化石のうち、4種類をティラノサウルスなどと同じ獣脚類恐竜の卵殻と確認し、うち1種類を新卵属・新卵種の恐竜卵化石と結論づけたと発表した。約1億1千万年前(白亜紀前期)の地層から見つかり、世界最小となる恐竜の卵の化石という。(真鍋 愛)

 篠山層群は、丹波篠山市と丹波市にまたがる地層。2006年には、大型恐竜「丹波竜(タンバティタニス・アミキティアエ)」の化石が見つかるなど、国内有数の恐竜化石産地として知られる。今回は19年1~3月、前期白亜紀の同層群大山下層(丹波市山南町上滝)で発掘調査が行われた。

 最小の卵化石は、長さ4・5センチ、幅2センチ、重さは推定約10グラム。丹波竜第1発見者の一人で、今回の化石群の発見に貢献した村上茂さん(75)=丹波市=にちなみ「ヒメウーリサス(かわいい卵の化石)・ムラカミイ」と命名された。ウズラの卵ほどという非常に小型で細長い形状と、卵殻構造の特徴から新種と判定された。

 また、新卵種の化石も見つかり「サブティリオリサス・ヒョウゴエンシス」と命名された。篠山層群からは計6種類の恐竜卵殻化石が確認されたことになり、前期白亜紀の地層では、世界で最も卵殻化石の種類が豊富な地域となった。

 発見は論文にまとめられ、国際学術雑誌に投稿された。同館主任研究員で、兵庫県立大学の池田忠弘准教授(41)=古爬虫両棲類学=は「約1300点の化石を細かく調べると、多様な生物が生きていたことが分かった。大変喜ばしい」と話す。村上さんは「丹波竜のお友達を探そうと思って、発掘を呼び掛けた。丹波竜は国内最大級、卵は世界最小。私の名が学名の一部になったことも、大変誇らしい」と声を弾ませた。

 同館は6月30日~8月31日、ヒメウーリサス・ムラカミイの化石など計8点や論文などを展示する。入館料(高校生以下は無料)が必要。月曜は休館。同館TEL079・559・2001

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