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コロナ禍を契機に、手話に関する研究会を設立した藤井裕行さん=伊丹市
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コロナ禍を契機に、手話に関する研究会を設立した藤井裕行さん=伊丹市
菅義偉官房長官(右)の記者会見での手話通訳=4月、首相官邸
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菅義偉官房長官(右)の記者会見での手話通訳=4月、首相官邸

 元兵庫県伊丹市職員の藤井裕行さん(66)らが、手話の話法や、国内外の手話の歴史を探る研究会を発足させた。きっかけは、新型コロナウイルスの感染拡大。マスクの普及により、耳が聞こえない人たちは相手の口元を読んで対話するのが難しくなり、政府などの手話通訳を巡る課題も浮き彫りになった。研究会では、手話を巡る現状などを広く知ってもらおうと、研修会や現地ツアーを催す。(久保田麻依子)

 藤井さんは1972年に伊丹市役所に入り、長く障害者福祉に携わった。若手時代は、聴覚障害者とコミュニケーションを取るために手話の勉強会に通うなどした。警察署や病院などから手話通訳の依頼も受け、在職中には「伊丹手話学習会」を結成した。

 聴覚障害者はコロナ禍により、感染リスクと別の困難にも直面した。市民の常識となった「マスクの着用」が、これまで口元の動きで言葉を読み取っていた聴覚障害者にとっては「仕事や買い物、あいさつなど日常のあらゆるところで障壁となった」(藤井さん)。

 手話そのものの手法を巡る課題も顕在化した。手話は、日本語の文法とは異なる体系を持ち、昔から伝わる「日本手話」と、日本語を手指で表す「日本語対応手話」の大きく二つに分類され、その一方しか使わない障害者が多いという。「(緊急事態宣言などの)首相会見の際は、日本語対応手話でしか通訳されないため、理解できない障害者が多数いた」とする。

 そこで2月、藤井さんは旧知のろう歴史愛好家・山田幸夫さん(明石市)や手話学習会のメンバーと計8人で「明石・伊丹『ろう史と手話』研究会」を結成。文献や聞き取りを基に手話の歴史をひもとき、会報の作成に取り組んでいるほか、日本手話と日本語対応手話に関する研修会(9月予定)や、ろうあ者の歴史を探訪するツアー(12月予定)などを企画している。

 「多くの人に、障害者が抱える課題を知ってもらう機会をつくりたい」と藤井さん。過去の疫病での障害者を巡る対応などについても研究する予定で、「過去の苦難の歴史から学び、新型コロナで表面化した障害者を巡る問題に打ち勝つヒントを得たい」と話している。

 同研究会に関する問い合わせは伊丹市ボランティア・市民活動センターTEL072・780・1045

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