全身が赤いことから「火の鳥」の異名を持ち、愛鳥家に人気の渡り鳥「アカショウビン」が、ささやまの森公園(兵庫県丹波篠山市)に飛来している。薄暗い木立の奥で時折、ひときわ目立つ姿が見え隠れしている。
カワセミ科で、体長は30センチ弱。九州以南や東南アジアに生息し、夏に本州全域で繁殖する。奥深い広葉樹林帯でサワガニやカエル、水生昆虫などを餌にする。近年は生息域が縮小傾向で、兵庫県内でも目撃例は少なく、県レッドデータブックでは「絶滅の危険が増大している」Bランクに指定されている。
同公園によると、公園一帯の森には、20年近く飛来し続けている。「キョロロロ…」という鳴き声も特徴的だが、日本で過ごす7月ごろの繁殖期にはほとんど鳴かない。8月上旬ごろに南方へと渡っていくという。(鈴木雅之)