宝塚歌劇団は17日、新型コロナウイルスの影響で休止していた宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)での公演を約4カ月ぶりに再開した。客席数は2550の半分以下の1274に限定するなど、感染防止策を徹底。花組がミュージカル「はいからさんが通る」を上演し、心待ちにしていたファンらが華やかな舞台を満喫した。
同劇場は、感染拡大防止のため3月9日の公演を最後に休館。劇団員は自宅や寮で待機させ、帰省する場合は2人以上での会食をしないよう指示した。再開にあたっては、独自のガイドラインを作成。出演者は起床時に検温して報告させ、代役も準備をするなどして臨んだ。
この日、係員はマスクやフェースシールドを着用して対応した。入場する観客に検温を行い、マスク着用や消毒を求めた。さらに客席での会話や発声を控えるよう呼び掛けた。
今回の舞台は、トップスターの柚香光さん、トップ娘役の華優希さんの同劇場でのお披露目公演。陸軍少尉と、「はいからさん」と呼ばれる女学生が繰り広げる恋物語で、ショーではラインダンスも披露された。
柚香さんは前日の通しげいこ後、「大変な時期に舞台を再開でき感謝している。みなさんの期待を裏切らないよう、健康管理をはじめ自身の状態を整えて千秋楽まで頑張りたい」と語っていた。
子どもの頃から宝塚歌劇に通ってきたという西宮市の主婦(61)は「今日の舞台は特別だった。幕が開いた時は感動で胸がいっぱいになり、涙がこぼれた」。入場者は半分以下だったが、拍手の音は普段以上に大きかったといい、「ファンは待ちこがれていた。素晴らしい舞台を続けてほしい」とエールを送った。
「はいからさんが通る」の上演は9月5日まで。詳しくは宝塚歌劇公式ホームページで。東京宝塚劇場は31日から再開する。当面、窓口でのチケット販売は行わず、ネットのみで受け付ける。(津谷治英)
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