兵庫県や神戸市、神戸商工会議所などでつくる「神戸ルミナリエ組織委員会」は17日、地元企業などで構成する実行委員会との合同会議を同市内で開き、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、今年の開催を中止すると決定した。
阪神・淡路大震災の犠牲者の鎮魂や記憶の継承を願い、震災が起きた1995年に始まった光の祭典が中止されるのは初めて。組織委は今後、代替イベントなどを検討するという。
ルミナリエは毎年12月に街中に光の装飾を並べる冬の風物詩として定着し、25回目の節目となった昨年は約350万人が訪れた。
組織委事務局はこの日、来場者の感染予防が難しいことや、展示作品を手掛けるイタリア人職人の入国時期が見通せないことなどから、合同会議に中止案を提出。出席した計約20人の委員から反対はなかったという。
また合同会議では、来年の開催への思いを込め、組織委が代替事業の検討を始めることも報告された。
震災当時、新長田にあった実家が全壊したというパート女性(64)は中止の報を聞き、「毎年行っているので残念。当時はすごく大変だったが、ルミナリエの光に力をもらった。ただ感染者が増えており、中止はしかたない」と話していた。(初鹿野俊、坂井萌香)
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