兵庫県の井戸敏三知事は17日の会見で、新型コロナウイルス感染症が再び拡大している状況を受け、今後の方針などについて説明した。主なやりとりは次の通り。
-急激な感染者増をどう分析しているか。
「感染者は阪神間や神戸の若者やサラリーマンが多い。感染源は“夜の街”に加え、飲食店での宴会などが想定され、緊急事態宣言が解除された影響が出ている。『黄信号』の状態だ」
「3月下旬の3連休後に年度末の歓送迎会や学生のコンパの影響が出た状況に近い。(接待や)酒が伴う飲食店や若者への呼び掛けを強化したい」
-加速度的に増加する懸念はないか。
「現状は濃厚接触者の検査結果がまとめて出ての増加。ただ、感染経路不明の患者が急速に増えると強い警戒が必要だ」
「第2波は4月のピークを上回る状態と考えているが、急増に備え医療態勢構築を急ぎたい」
-政府が観光支援事業「Go To トラベル」から東京を除外した評価は。
「国民の一般的な懸念を踏まえた現実的な対応だ。観光客が激減したままでは非常に大変な地域もある。感染症対策と地域経済を両立させる方針ではないか」
-一方で、不要不急の外出自粛を要請している。
「じっと家にいてくださいという意味ではない。不要不急の判断は各自でしてもらいたい」
-外出自粛要請と兵庫への観光キャンペーンは矛盾しないか。
「(経済と感染防止の)二兎を追っている状況。観光客には(体調管理などの)自覚を持ってもらい、受け入れ側のホテルなどは感染症対策をしっかりした上で来訪していただくという考え方。理解を得られるはずだ」(まとめ・井川朋宏)
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