きょう21日は土用の丑の日。専門店や鮮魚店の軒先からは、香ばしく焼かれたウナギの煙や匂いが立ち上り、蒸し暑い日を吹っ飛ばすような、食欲をそそる香りが街角に漂った。
大安亭市場(神戸市中央区)の「新田商店」では「香りも商品」と、普段は店奥にある焼き場を店頭へ設置。この日は早朝から準備を始め、店内でさばいた活魚に串打ちし、こだわりの炭火でじっくりと焼き上げていた。
今年の稚魚は豊漁だったが、価格に影響が出るまでもう少し時間がかかりそうだという。「コロナ禍でお客さんの財布のひもも固め」と苦笑いする店主の新田佳久さん(71)だが、「夏バテを吹っ飛ばすだけの栄養がたっぷり。食べて元気になってほしい」と汗をぬぐっていた。(中西幸大)