新型コロナウイルスの感染が再び拡大傾向にあるのを受け、8府県4政令市でつくる関西広域連合は22日、大阪市内で対策本部会議を開き、「第2波」への備えについて議論した。府県民や事業者に向けた、感染拡大防止のための要請を盛り込んだ「関西・コロナ『次なる波』抑止宣言」を採択した。23日からの「4連休」については具体的に言及せず、府県境をまたぐ往来自粛要請などは出さなかった。
関西広域連合では4月、緊急事態宣言の発令を受けて、不要不急の外出や府県境を越えた移動の自粛を求める「関西外出しない宣言」を府県民に呼び掛けた。緊急事態宣言解除後の5月には、感染予防に向けた新しい生活様式の定着、関西経済の活性化などを柱とする「関西・新型コロナウイルスを乗り越えよう宣言」を出した。
22日の会議では「第2波」に備え、発熱などの症状がある場合は外出を自粛したり、東京など感染が再拡大している地域との往来には特に注意したりする必要性を確認。府県民に自覚ある行動を呼び掛けることを決めた。
また、感染が目立つ若年層は重症化する割合が少なく、無症状者も多いと分析。重症化リスクが高い基礎疾患のある人や高齢者らに対し、重点的に感染予防策を講じるとした。
これらの方針を踏まえ、「関西・コロナ『次なる波』抑止宣言」を採択。宣言では府県民に、多人数での飲み会を自粛する▽夜の繁華街の接待を伴う飲食店の利用に注意を払う▽高齢者と接するときは特に感染予防に配慮する-ことなどを要請する。事業者には、感染防止ガイドラインの順守▽大規模イベント開催の慎重な判断▽テレワークの定着-などを呼び掛けるとした。
会議後の会見で、連合長を務める兵庫県の井戸敏三知事は「4連休の対応を含め、抑止宣言に盛り込んだ。外出抑制以上に、外出した際の行動が重要で、そのことに絞った対策だ。一律的な規制は(経済や)生活への影響が大きい」と述べた。政府の「Go To トラベル」や各府県の観光キャンペーンを考慮したかどうかについては「判断への影響はなかった」とした。(藤井伸哉)