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濱根秀樹さん(右端)が船長を務める漁船「美寿丸」で働くインドネシア人技能実習生たち=兵庫県新温泉町諸寄、諸寄漁港
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濱根秀樹さん(右端)が船長を務める漁船「美寿丸」で働くインドネシア人技能実習生たち=兵庫県新温泉町諸寄、諸寄漁港
3年の実習期間を終えた修了証を贈られたインドネシア人技能実習生=6月29日、兵庫県香美町香住区香住
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3年の実習期間を終えた修了証を贈られたインドネシア人技能実習生=6月29日、兵庫県香美町香住区香住
神戸新聞NEXT
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 新型コロナウイルスが、9月に漁期が始まる但馬の底引き網漁業を脅かしている。感染対策として政府の入国制限が続く影響で、インドネシア人技能実習生が来日する見通しが立たないためだ。いまや全船員の2割を超える100人近くが働く実習生は漁業に欠かせない存在。但馬の冬の味覚、ズワイガニなどの漁獲高への影響は避けられないとみられる。(金海隆至)

 但馬では但馬漁協(兵庫県豊岡市、同県香美町)と浜坂漁協(同県新温泉町)の各漁港でインドネシア人技能実習生を受け入れている。例年、底引き網の休漁期間(6~8月)の7月中旬、新たな実習生が入国し、約1カ月の語学講習を経て、各漁船で3年間の実習に取り組む。

 しかし、今年は入国制限により、両漁協で受け入れる予定の新規実習生17人と、4~5年目の実習に臨む13人の来日時期が未定だ。漁協の担当者らは「受け入れが決まっても、語学講習などの期間を考えると、漁期の開始に間に合わない」と話す。実習受け入れ計画を見直す船主も相次いでいるという。

 但馬の沖合底引き網漁船は昨季、46隻が操業。後継者や担い手の不足は深刻で、今季は3隻が廃業する。実習生の不在を日本人で補おうにも、引退した高齢の経験者は体力が落ち、20~30代は過酷な労働を敬遠して集まらないのが実情だ。

 諸寄(もろよせ)漁港(新温泉町)の漁船「美寿丸」(19トン)は船員7人のうち3人がインドネシア人実習生。当初は2人が帰国する予定だったが、代わりの実習生の来日が見込めないため、3年の実習を修了した男性(27)は帰国を延ばし、契約を2年延長することになった。交際する女性が母国で待つというが「帰ってもコロナで結婚式は挙げられない。盛大な式を挙げて家を建てられるようにお金を稼ぎたい」と話す。

 実習の延長を打診した船主兼船長の濱根秀樹さん(58)は「船員が減れば水揚げ量も減る。彼は気を使ってくれたのだろう」と感謝する。

 津居山港(豊岡市)の漁船「祇園丸」(80トン)の船主、磯橋市朗さん(62)は、船員8人のうち実習生3人が“空席”という。磯橋さんは「ズワイガニの漁期(11月~翌年3月)までに船員を確保できなければ死活問題。一刻も早く入国制限を解除してほしい」と訴えている。

■水産分野 全国1350人来日できず

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて政府が始めた入国制限の対象は今月1日から18カ国を加え、129の国・地域に及ぶ。水産庁によると、来日の見通しが立たない水産分野の外国人技能実習生は今月1日時点で約1350人に上るという。そのうち漁業・養殖業は約460人。国別にみると、インドネシア人が最も多く約380人を数える。

 水産庁は5月以降、人手不足を解消するため、地域の作業経験者や契約期間を延長した実習生など、入国できない実習生の代わりに雇用した人材の賃金を補助する事業を開始。しかし「事務費に見合った補助額にならない」「そもそも確保できる人材がいない」といった理由で、但馬では申請する船主は少ないという。

 但馬漁協香住支所(兵庫県香美町)庶務課の駒居慧一副課長は「日本人船員の育成や雇用に行政と協力して力を入れたい。そうでなければ、培った技能や知識を実習生に指導するという制度の理念を保てない」と話している。(金海隆至)

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