前線などの影響で、兵庫県南部は25日未明から朝にかけ、激しい雨に見舞われた。特に淡路島で雨量が多く、洲本市では同日午前3時ごろまでの1時間に70・5ミリを記録。気象庁によると、1919年の観測開始以来、7月の1時間当たりの最大降水量としては最大という。南あわじ市でも同日午前1時55分ごろまでの1時間に56ミリを記録し、7月の観測史上最大を更新。神戸市長田区では土砂崩れで避難指示が出された。
25日未明には神戸、西宮、洲本市など阪神・淡路地域の7市に警戒レベル4相当の土砂災害警戒情報が出され、同日午前7時すぎまでに解除された。その後も、同地域の8市では大雨警報(土砂災害)が続いた。
神戸市消防局によると、同日午前5時50分ごろ、同市長田区大谷町3の住宅街で「民家の土台が崩れて道をふさいでいる」と近隣住民から通報があった。高さ約3メートルの擁壁が幅約5メートルにわたって崩れ、土砂が路地に流出。けが人はなかった。同市は周辺を含む2世帯に避難指示、3世帯に避難勧告を発令した。近くに住む男性(65)は「『ドーン』という大きな音がした」と不安そうに振り返った。
神戸地方気象台によると、兵庫県内では26日にかけて引き続き、局地的に雷を伴う激しい雨が降る恐れがあり、警戒を呼び掛けている。26日午前6時までの24時間降水量は、県南部で最大150ミリ、北部で最大90ミリを予想している。(杉山雅崇、谷川直生、霍見真一郎)